波乱続きの最終戦、オジェが4点差で9回目のワールドタイトルを獲得
今年が初開催、どのドライバーにとっても未知のラリーだったサウジアラビアは、想定以上のダストと荒れた路面で、すべてのドライバーが何らかのトラブルに見舞われる大荒れの展開となった。
イスラム圏での開催ということで水曜日から土曜日までの開催となった今回、タイトルを争うトヨタのドライバーの中で真っ先に“脱落”したのはこのラリーがWRC引退戦となるカッレ・ロバンペラだった。ランキング首位のエルフィン・エバンス、2番手のオジェは20点以上の差があるため、奇跡の逆転を狙うには勝つしかない立場だったが、木曜日の3番手出走という出走順の不利に大きくタイムロスしたあげくにSS4でリアタイヤをパンク。ステージ上のタイヤ交換で絶望的な状況となってしまう。
出走順1番手エバンスと2番手のオジェも、ロバンペラ以上にダスト掃除役に苦しみ、ふたりのタイトル争いは下位での争いとなってしまう。結局、木曜日はオジェが6番手、エバンスが8番手という順位で終えた。
多くのドライバーがパンクに見舞われた金曜日、エバンスもSS11でステージ中のタイヤ交換を強いられ大きくタイムロス。総合順位で前をいくオジェとのタイム差はさらに広がったが、ふたりの順位は変わらず、選手権争いはデイ単独と最終パワーステージで最大10点が獲得できる土曜日にもつれ込んだ。
金曜日までの暫定総合順位ではオジエが1点のリードを取る情勢で迎えた最終日。ラリー最長のSS16で上位陣にトラブルが相次いだことでオジェが3番手、エバンスが6番手まで順位を上げて、いよいよ最終パワーステージ。
ここでエバンスは意地のベストタイムをマークするも、オジェも2番手タイムで土曜日最速の5ポイントをゲット。この結果、年間の総合獲得ポイントはオジェ293点、エバンス289点となり、わずか4点差でオジェがセバスチャン・ローヴと並ぶ史上最多タイの9回目のドライバーズタイトルを獲得することになった。

ランキング2位でスタートしたトヨタのセバスチャン・オジェは、3位に入り、チームメイトのエルフィン・エバンスをわずかに逆転。
