TOYOTA GAZOO Racingは2025年12月5日、新型フラッグシップスポーツ「GR GT」と、そのレーシング仕様である「GR GT3」を世界初公開した。低重心、軽量・高剛性、空力性能という3本柱を徹底的に深化させ、開発初期からプロドライバーとエンジニアが一体となって磨き込んだ「公道を走るレーシングカー」である。

GR GT②:新開発4.0L V8ツインターボ+ハイブリッドが生む未踏領域の走り

GR GTが搭載する4.0L V8ツインターボは、トヨタとして初めて市販車に導入される完全新設計ユニットだ。ショートストローク化(87.5×83.1mm)やホットV配置、ドライサンプ化により、エンジン自体の重心を徹底的に下げている。

画像: 前後をつなぐ細く長いドライブシャフトと、後方にレイアウトされたユニット群が特徴的。

前後をつなぐ細く長いドライブシャフトと、後方にレイアウトされたユニット群が特徴的。

動力はCFRP製トルクチューブを介して後方のトランスアクスルに伝達され、ここには1モーターハイブリッド+新開発8速AT+機械式LSDを一体化したユニットを搭載する。トルクコンバーターを廃し「WSC(ウェット・スタート・クラッチ)」を採用することで、よりダイレクトでレーシングカーらしいつながりを実現する。

最高速は320km/h以上とされ、前45:後55という重量配分と合わせて、高速域でも安定したトラクションとコントロール性を確保する。

そしてサウンド面もこだわりが深い。排気系を「クルマと対話できる音」「熱量変化がわかる音」の2軸で作り込み、V8ツインターボらしい濃厚な音質を追求した。

GR GT3:GT3の常識を壊す。トヨタが本気で作った“勝ちに行くマシン”

一方、GR GT3は、GR GTを母体にしながら“レースで勝つため”だけに最適化されたFIA GT3規格の純レーシングカーである。

画像: 巨大なスプリッターとワイドフェンダーが放つ迫力は、GT3規格らしい機能美そのもの。冷却効率と整備性を優先した面構成が、勝つための道具感を強烈に主張する。

巨大なスプリッターとワイドフェンダーが放つ迫力は、GT3規格らしい機能美そのもの。冷却効率と整備性を優先した面構成が、勝つための道具感を強烈に主張する。

画像: 極端に後方へ張り出した大型ウイングとディフューザーは、長時間の耐久レースで安定したダウンフォースを生むための造形。空力パーツ同士のつながりも徹底的に最適化されている。

極端に後方へ張り出した大型ウイングとディフューザーは、長時間の耐久レースで安定したダウンフォースを生むための造形。空力パーツ同士のつながりも徹底的に最適化されている。

GT3カテゴリーは世界中の耐久レースで主役となるクラスで、プロからアマチュアまで幅広いドライバーが操る。そのためGR GT3は、GR GT譲りの低重心パッケージやオールアルミ骨格を受け継ぎつつ、空力・冷却・耐久性を徹底的に煮詰め、誰が乗っても扱える安定性と、限界域での鋭い反応性を両立している。

4L V8ツインターボはGR GTと共通構造を採用し、重量物の最適配置によって前後バランスを最適化。さらにトヨタは“戦闘力だけでなく、参戦しやすさ”も重視し、アフターサポート体制を強化する方針だ。ユーザーが気持ちよく戦えるGT3マシンを提供する、という思想が明確に貫かれている。

画像: ステアリングのスイッチ配置やディスプレイ角度まで、実戦仕様に最適化された操作系。限られた視界の中でも瞬時に判断できるよう、各機能の色分けもレーシングカーならではだ。

ステアリングのスイッチ配置やディスプレイ角度まで、実戦仕様に最適化された操作系。限られた視界の中でも瞬時に判断できるよう、各機能の色分けもレーシングカーならではだ。

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