ランボルギーニの本拠地サンタアガタボロネーゼにあるファクトリーで、レヴエルト、そしてテメラリオといったスーパースポーツカーが製造されるラインを見学。さらに実際に作業を体験してきた。(2025年2月号より/文:島下泰久)

職人技を実際に体験。クオリティを生み出す理由は

続いては、SSC(スーパースポーツカー)ラインへ。ここではレヴエルト、そして今後はテメラリオが生産される。

ラインにはベルトコンベアはなく車体は自動搬送機に載せられて運ばれる。外装パーツの取り付けには、たとえばビスが奥まったところにあるなどコツが要るものもあるが、そうした場合も専用の治具が用意されていたりして、難儀することはない。これは開発と生産が一体になっていることの証だ。

画像: 組み立てラインに多いのは協働ロボット。重いパーツ、嵩張るパーツを運び、固定する作業を助けてくれる。

組み立てラインに多いのは協働ロボット。重いパーツ、嵩張るパーツを運び、固定する作業を助けてくれる。

内装の加工や組付けも、やはり手作業とテクノロジーが共存している。たとえばレザーは、表面の荒れをスキャナーでチェックして無駄がもっとも少なくなるようカッティングされる。その後の加工やステッチングは、すべて手作業。ステアリングホイールも1本ずつ革が縫い付けられていくのだ。

ここでも、内装パーツの表にレザーを貼り込む作業にトライした。硬いレザーを温めて柔らかくしながら、曲面に沿って隙間や浮きなく貼るのは、神経を使った。1個だけならまだしも、これをいくつも繰り返すとは・・・。

画像: レヴエルトのCFRP製モノコックの生産台数は1日当たり9台分。手作業なだけに容易には数を増やせないのだ。

レヴエルトのCFRP製モノコックの生産台数は1日当たり9台分。手作業なだけに容易には数を増やせないのだ。

CFRPボディの製作工程を見ても、型にプリプレグを隙間なく貼り込み、真空吸引のためのフィルムを貼り・・・という作業が、すべて人の手で行われている。これまた根気も力も要る作業だ。

この工程は、さすがに車体ではなくお土産用のミニチュアで体験した。指導役のエンジニア氏、その場でホメてくれただけでなく、最後にまた「席は空いてるぞ」と言ってくれたのだが、これを日々の生業にするのはとても無理だと丁重に断った。それは半分冗談だが、実際どの工程も紛れもない職人技であり、しかもそれを丹念にかたちにしていくことでクオリティが生み出されていることに、畏敬の念すら覚えた次第だ。

この工場のタクトタイムは30分。一般的なクルマの10倍かそれ以上の数字である。ランボルギーニの車両価格はどのモデルも飛び切りだが、その理由の一片がよく理解できた。年が変わり、そろそろラインにはテメラリオの姿も増えてきているはずである。

工場見学のほかのイベントの模様は次号でお伝えする予定だ。

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