初代ゴルフが誕生してからというもの、世界中の自動車メーカーはCセグメントハッチバックを開発し、そしてセダンやステーションワゴン、SUVなど数々のボディタイプを派生させてきた。では、その本場ともいえる欧州でどのようなモデルに人気が集まり、そして市場はどう変化していくのだろうか。(Motor Magazine 2025年5月号より/文:大谷達也)

欧州と日本のCセグメント

Cセグメントが欧州自動車市場の本流となったのは、1974年にデビューしたフォルクスワーゲン ゴルフがきっかけだったと見て間違いないだろう。

フロントエンジン/前輪駆動のドライブトレーン、そして2ドア&4ドアハッチバックのボディスタイルを採用した初代ゴルフは、全長約3.7m、ホイールベース約2.4mのコンパクトサイズにもかかわらず、大人4人がしっかり座れるキャビンスペースと人数分の荷物が積めるラゲッジスペースを確保。さらには、必要とあらばリアシートを倒してステーションワゴンのように長尺ものを積載できるなど、その使い勝手の良さから絶大な人気を博したのだ。

こうした潮流にルノーは14(1976年)、フィアットはリトモ(1978年)で追随(カッコ内はデビュー年。以下、同)。1980年代にかけて欧州全土を巻き込む一大ムーブメントに発展した。これを追うようにして、日本では1980年にマツダが5代目ファミリア、通称「FFファミリア」を投入。先行するホンダ シビックやトヨタ コルサの影が薄くなるほどのブームを巻き起こしたことは、知ってのとおり。

画像: シンプルでクリーンなデザインが好評だった5代目のマツダ ファミリアだが、実は走行性能にも秀でており「アンダーステアが少ない、操作性の良さが光る」クルマだったという。

シンプルでクリーンなデザインが好評だった5代目のマツダ ファミリアだが、実は走行性能にも秀でており「アンダーステアが少ない、操作性の良さが光る」クルマだったという。

Cセグメントの主流は今やSUVになりつつある

一方の欧州市場では、1996年にデビューしたアウディ A3をきっかけとして、Cセグメントブームはプレミアムブランドへと飛び火。BMWは1シリーズや2シリーズで、メルセデス・ベンツはAクラスやBクラスでこれに追随してラインナップを拡大した。

もうひとつ、Cセグメントの潮流として注目すべきは、SUV人気の高まりにある。CセグメントSUVの発祥は、おそらくトヨタ RAV4(1994年)やホンダ CR-V(1995年)あたりにあったはずだが、欧州ブランドではフォルクスワーゲンがティグアン(2008年)を投入。これに続くようにプジョー 3008(2009年)、ルノー系のダチア ダスター(2010年)、アウディ Q3(2011年)などがデビューし、次第に地位を築き上げていったのである。

では、現在の欧州自動車市場において、Cセグメントはどのような存在感を示しているのか。ここでは、欧州の調査会社(※)が公表した統計をもとに、紹介することにしよう。

発表されたデータによると、2024年に欧州圏内でもっとも人気だったのはCセグメントで、新車市場の36.5%を占めていることがわかる。これはBセグメントの34.6%をわずかに凌ぐとともに、Dセグメントの10.0%を大きく引き離す数値。ちなみに、もっともコンパクトなAセグメントはわずか4.2%にとどまっている。

画像: 今も昔もCセグメントの代表格であるフォルクスワーゲン ゴルフ。

今も昔もCセグメントの代表格であるフォルクスワーゲン ゴルフ。

注目してほしいのは、ここから。

B、C、Dの各セグメントをSUV系とそれ以外(ここでは、カーと表記)に分類すると、もっとも人気が高いのはCセグメントSUVの22.6%で、以下、BセグメントSUV(19.1%)、Bセグメントカー(15.5%)、Cセグメントカー(13.9%)、Dセグメントカー(6.0%)の順となっているのだ。言い換えれば、CセグメントもBセグメントも、SUV人気によってその販売台数が下支えされているといってもおかしくない状況なのである。

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