「小さなエスカレード」とも言われるほど豪華な内外装デザインを採用しているキャデラック初のコンパクトSUVが、大幅改良を受けてXT4 スポーツとして日本でも発売。今回、ラグジュアリーカーブランドが仕立てたスポーツ性を体感した。(Motor Magazine 2025年6月号より/文:島下泰久、写真:永元秀和)

グレード名どおりの活発さを感じられる走り味も

走りに関連する部分についての変更はアナウンスされていない。パワートレーンは最高出力230ps、最大トルク350Nmを発生する2Lターボエンジンに9速AT、左右後輪間のトルクベクタリング機構を備えたツインクラッチAWDシステムを組み合わせる。シャシには電子制御連続可変ダンパーを用いたスポーツサスペンションが標準装備される。

そのエンジンは結構活発。アクセルペダル操作からの初期応答は少々元気すぎるほどだ。9速ATもショートなギア比を活かしてスポーティな走りを可能にしているが、キャデラックというブランドへの期待値からすると、レスポンスはもう少しまったり、穏やかでもいい気はする。

実際、乗り心地の方はそうした設定になっている。端的に言って非常にソフトで、クルマは常に前後左右へふんわり揺すられている印象。20インチのタイヤを履くため路面の継ぎ目などを通過するときには多少ガツッと来るものの、総じて快適な乗り心地と言える。

あえて言えば、高速道路を巡航しているときの直進性がもう少し出ていると嬉しい。ドライブモードを標準の「ツーリング」のままFWDから4WDに切り替えるといくらかは改善される印象なので、私なら普段は4WDに入れっぱなしにしておくだろう。

画像: 大きなルーフスポイラーや段差をつけたリアゲートの構造は、エアロダイナミクスと静粛性を高めるためのデザイン。

大きなルーフスポイラーや段差をつけたリアゲートの構造は、エアロダイナミクスと静粛性を高めるためのデザイン。

面白いのは、それでもフットワークは決してダルというわけではないということだ。ゆるいコーナーが続くような場面では、操舵に対して思いのほか俊敏な反応を示して、軽やかに駆け抜けることができる。おそらくは電子制御ダンパー、そしてトルクベクタリングシステムの効果だろう。それらをフルに活かして走るならばドライブモードは「スポーツ」がベター。さらに選択肢には「オフロード」も用意されている。

その走りの良さについては、実際のところ従来どおりといった印象ではあるのだが、新しいXT4が外観、そして内装のブラッシュアップによって、その魅力を一層高めていることは間違いない。

輸入車の車両価格が高騰している昨今、とりわけこの装備と設えで790万円という価格設定はリーズナブルと言うほかない。ただし、生産を行っているカンザス工場がBEV生産へ移行することにともなって、XT4はこれが最終モデルになってしまう。

キャデラック XT4 スポーツ主要諸元

●全長×全幅×全高:4605×1875×1625mm
●ホイールベース:2775mm
●車両重量:1760kg
●エンジン:直4 DOHCターボ
●総排気量:1997cc
●最高出力:169kW(230ps)/5000rpm
●最大トルク:350Nm/1500-4000rpm
●トランスミッション:9速AT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・61L
●WLTCモード燃費:10.8km/L
●タイヤサイズ:245/45R20

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