ライトが角目からツリ目に。DOHC16バルブエンジン搭載も
1987年2月にはマイナーチェンジが行われた。名称をFFジェミニから「ジェミニ」に変更するとともに、前面デザインや内装を変更、また操作性の改善などを行ったのだ。よりヨーロッパ感覚・高品質を狙ってフォグランプ組込み式のヘッドランプへの変更、ラジエーターグリルの変更により、フロントフェイスデザインの一新を行っている。ヘッドランプは、ボディと一体感のある薄型異形ハロゲンランプとし(通称:ツリ目)、安全な視界を確保した。これにともないラジエーターグリルの意匠も変更した。
さらにフロントおよびリアバンパーのデザインを一新。復元性に優れたエアダム一体式樹脂(ポリプロピレン製)を採用。リアコンビネーションランプのデザイン変更を行って、新鮮なイメージとした。ホイールカバーもよりスタイリッシュなものとして空力特性も向上している。

後期型4ドアセダンのフロントマスク。フロントグリルにフォグランプが埋め込められるなど、前期型の角目から「ツリ目」にイメージチェンジした。
1987年5月になると、モータースポーツ愛好家を対象としたよりホットなスポーツ仕様車、「ジェミニ イルムシャーRS」が発売される。いすゞ自動車は、1986年からジェミニ イルムシャーをベースとしたラリー車で全日本ラリー選手権や英国RACラリーに参戦していた。イルムシャーRSは、その経験をもとに、ジェミニ イルムシャーの持つ走行性能を全面的に強調したクルマとし、モータースポーツ愛好家へのジェミニの浸透を図る狙いがあった。
1988年6月には、ジェミニ イルムシャーに高性能な4XE1型1.6L直4DOHCエンジンを搭載したハイパフォーマンスモデル「ジェミニ イルムシャーDOHC」を追加発売した。さらにモータースポーツに参加する愛好家を対象に、走行性能のポテンシャルを高めたモデルとして「ジェミニ イルムシャーRS DOHC」を1988年6月に注文生産型で発売している。こうしたスポーツバージョンを設けるのは先代のPF60ジェミニZZ/Rから連綿とつながるいすゞ自動車のモータースポーツスピリットの現れと言えるだろう。

モデル末期には自然吸気の1.6L直4DOHC16バルブエンジンを搭載。よりスポーツ性能を高めたイルムシャーDOHCが登場した。
「ジェミニ イルムシャーDOHC」の追加により、スポーティバージョンは「ジェミニZZハンドリングバイロータス」「ジェミニ イルムシャー・ターボ」および「ジェミニ イルムシャーDOHC」となり、ユーザーの幅広い好みに応えられるものとなったのだ。
ジェミニは1985年5月発売以来、スポーティな車種「イルムシャーおよびZZハンドリングバイロータス(後述)など」を中心にバリエーションを拡げ好評を博した結果、1988年4月には、過去最多の登録台数6776台を記録(内、イルムシャーおよびZZハンドリングバイロータスのスポーティ車は1670台/24.6%)するヒット作となった。
JT150ジェミニ 4ドアセダン イルムシャー 主要諸元
●全長×全幅×全高:4235×1615×1365mm
●ホイールベース:2400mm
●車両重量:930kg
●エンジン:直列4気筒SOHC+インタークーラーターボ
●排気量:1471cc
●最高出力:120ps/5800rpm(ネット)
●最大トルク:18.5kgm/3400rpm
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:FF
●燃費・10モード走行:16.0km/L
●車両価格(当時):154万9000円


