FRからFFになったジェミニをスポーティに変身させた硬派モデル

リアに控えめなウイングを装着しただけでも、おとなしめのジェミニからイメージが変わった。ハッチバックは2ドアとなる。
いすゞ自動車が1985年10月にピアッツァとアスカに展開し、よりヨーロッパ感覚でよりスポーティな走りの車として好評を博した「イルムシャー仕様」をFFジェミニにも設定、「FFジェミニ イルムシャー」として1986年6月1日に発売した。イルムシャーとはオペルなどのチューニングで知られるドイツの名門チューナーだ。
ベースとなったFFジェミニは1985年5月、「クオリティ・コンパクト」を開発テーマに、広く快適な室内とコンパクトな外観をうまく調和させたクルマとして登場した。発売以来、そのクリーンでシンプルなデザイン、しなやかで俊敏な走りは高く評価された。いわゆる「街の遊撃手」のCMで後々まで話題をさらっていたことはご存じの人も多いだろう。
ジェミニ イルムシャーは、新開発の1.5L直4SOHC+インタークーラー付ターボエンジン(シグナスII4XC1-T)を搭載し、走りのポテンシャルをさらに高めるとともにトップクラスの動力性能を実現した。特にイルムシャー社の手による足回りのチューニングは抜群の走行安定性とフラットな乗り心地を可能にし、いすゞ乗用車のテーマである「ヨーロッパ的ハイクオリティ・ハイセンス」の一層の向上を図った。

2ドアハッチバックのフロントマスク。ボディと同色のエアダムが装備され、ボディ床下に流れ込む空気を整流する。
イルムシャー専用のエアロパーツとして、フロント・リアのボディ同色バンパーに、ボディ床下へもぐりこむ風を整流する大型のエアダムを装着。また、イルムシャー専用に開発したリアスポイラー(ハッチバックはウイングタイプ)の装着により、空気抵抗の低減および高速走行時の安定性向上も図っている。ターボエンジン搭載車にとっての要となるインタークーラーを冷却するため、ボンネットフードにエアインテークを設け、スムーズに大量の空気をインタークーラーに送り込む工夫も盛り込まれた。
足回りのエクステリアに目を移すと、イルムシャー仕様車専用のボディカラーと同色のフルホイールカバー付専用スチールホイール(14インチ)を採用し、ワイドトレッド感と大径ホイール感を増したのも特徴だ。また、185/60R14サイズの高性能タイヤとのマッチングにより、さらにスポーティな強いイメージも確保している。機能面と重なってしまうが、ブロンズガラス(熱線吸収ガラス)と可倒式電動リモコンドアミラーを標準装備し、居住性と利便性の向上も図られた。

タイヤサイズは185/60R14。ボディカラーと同色のフルホイールカバーが装着され、全体をファッショナブルなイメージとした。


