2011年11月、3代目となるW166型にモデルチェンジしたメルセデス・ベンツMクラスに5.5L V8ツインターボを搭載した、AMGバージョン「ML63AMG」が欧州でデビューした。従来の6.2L V8エンジンを上回る出力ながら、燃費は28%も向上したというこのエンジンはどんな走りを実現していたのか。Motor Magazine編集部はその国際試乗会に参加しているので、今回はその時の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2012年3月号より)

新たに投入されたM157型5.5Lツインターボユニット

AMGのエンジニアリング部門にとっては悲願であっただろう、自社エンジンの開発/生産。その想いが叶えられたM156型ユニットは、直近のおおむねのAMGモデルに搭載されていたが、「環境性能の向上はAMGにとっても無視できない課題ゆえ、ソリューションを適材適所で置き換える必要が出てきている」という。

そう語るのは、新型ML63AMGの試乗会の場に居合わせたAMGの車両開発担当役員のトビアス・モアズ氏である。新たに投入されたM157型ユニットは、すでにSクラスやCLSクラスのAMGモデルに搭載され、20%以上のCO2削減を、前型を上回るパフォーマンスとともに手にしている。

前型にあたるW164型のML63AMGは、個人的には同世代のAMGモデルの中でも3本の指に入る傑作だと思っていた。それは多分に高出力/高回転型の大排気量NAであるM156型を積んでいるという他類ない個性と、高重心をものともせず、そのパワーを余裕で受け止めるシャシのマッチングの妙にあったわけだ。

先ごろフルモデルチェンジとなったW166型がベースの新しいML63AMGに、M157型ユニットが搭載されたのは、つまるところ既定路線ということだろう。NAエンジンよりも大きく広い台形のトルクバンドが描ける5.5Lツインターボは、重量級で低速域でのフレキシビリティが重視されるSUVにはことさら相性が良い。

画像: 3代目メルセデス・ベンツMクラスの「ML63AMG」。新世代M157型5.5Lツインターボユニットが注目を集めた。車両価格は10万8885ユーロ(約1070万円)、オプションのAMGパフォーマンスパッケージは7021ユーロ(約70万円)となる。

3代目メルセデス・ベンツMクラスの「ML63AMG」。新世代M157型5.5Lツインターボユニットが注目を集めた。車両価格は10万8885ユーロ(約1070万円)、オプションのAMGパフォーマンスパッケージは7021ユーロ(約70万円)となる。

実際、新型に積まれるこのエンジンは、標準グレードで700Nmものトルクを1750rpmという低い回転数から発生する。さらにパフォーマンスパッケージを装着すればそのトルクは760Nmにアップ。パワーは前者で525ps、後者で557psと、これまたライバルに対して大きく水を開けることとなった。その上で、スタート・ストップシステムが加えられたマネージメントにより、EU計測値で28%の低燃費化を達成とあらば、NAエンジンの個性が失われることを憂うでなく、その進化の幅に納得するしかない。

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