韓国の自動車メーカーHyundai(ヒョンデ)が日本市場へ乗用車で再参入したときに持ち込んだ1台がFCEV(フューエルセルエレクトリックビークル=燃料電池電気自動車)のNEXO(ネッソ)である。そのネッソもフルモデルチェンジして新世代となり、2026年春に日本で発売される。
画像: HTWOとはヒョンデの水素事業ブランドのこと。水素電気自動車の開発のほかにインフラの整備や水素充填ロボットの開発なども手かげている。

HTWOとはヒョンデの水素事業ブランドのこと。水素電気自動車の開発のほかにインフラの整備や水素充填ロボットの開発なども手かげている。

1年半待ち望んでいた試乗が叶った

東京ビッグサイトで開催された「H2&FC EXPO2026春」にヒョンデは、2世代目となる新型ネッソを展示、さらに体験試乗会を開催した。今回はこのイベントを取材、新型ネッソにも試乗することができた。グレードは19インチタイヤとデジタルサイドミラーを標準装備するラウンジ+である。

決められた試乗コースと時間は、東京ビッグサイトの周辺を15分程度走るだけである。それでもこの日を待ち望んでいた。実はこのネッソを初めて見たのは、一昨年(2024年10月)に韓国で行われたローンチイベントである。当時はまだINITIUMというネーミングだった。従来モデルからモダン的なデザインに大きくイメージチェンジし、かなりSUVテイストが強くなって好印象だった。これがヒョンデの最新デザイン言語なのだ。早く乗ってみたいと思っていたが、1年半の時を経て、今回念願が叶った。

画像: 2024年10月に韓国 高揚(コヤン)のヒョンデモータースタジオ高陽で開催されたイベントで新型ネッソはINITIUMとしてローンチされた。

2024年10月に韓国 高揚(コヤン)のヒョンデモータースタジオ高陽で開催されたイベントで新型ネッソはINITIUMとしてローンチされた。

運転席に座って感じたのが、最新のヒョンデに共通するクリーンなインテリアである。操作系もIONIQ5やKONA、インスターと大きく変わらず、親しみやすくそして扱いしやすい。シートの座り心地もなかなかいい。これなら一充電走行距離1014kmを走っても疲れは少ないだろう。

画像: 写真は18インチタイヤを装着するネッソ ヴォヤージュ。

写真は18インチタイヤを装着するネッソ ヴォヤージュ。

FCEVとBEVの走行フィールに大きな違いはない

さっそくギアセレクターレバーにレイアウトされたスタートスイッチを押して新型ネッソを起動させた。電源が入ったことはメーター類が点灯することでわかるが、その時も室内は当然無音だ。普段から長期テストでインスタークロスに乗っている筆者からすれば、この静かさは自然なことである。逆に久しぶりにエンジン車に乗ると「ブルンッ」という始動時の振動が気になってしまうから不思議なものだ。すっかり身体はBEVに馴染んでいるということなのだろう。

FCEV、つまり燃料電池車(水素電気自動車)とBEVは共通点がとても多い。充填と充電が異なるだけで、装備や走行フィールなどはBEVにかなり近い。はっきり言えば両車の違いを見つけることは難しい。たとえば、目隠しをしてしまえば試乗したのがFCEVなのかBEVなのかを正確に言い当てる自信は筆者にはない。

無音の起動、振動も少なくスゥーと流れるように走る感覚、そしてペダルと車両が直結したかのような動きも同様である。つまり充填/充電に水素ステーションに行くか、充電ステーションに行くかの違いだけなのだ。

水素インフラの不足が普及の課題

途中、周囲を確認して少しアクセルペダルを深く踏み込んでみたが、すぐさま背中を押されるように加速する。このあたりの印象もBEVらしい。そう、FCEV(フューエルセルエレクトリックビークル)もBEV(バッテリーエレクトリックビークル)もどちらも同じ電動駆動車なのである。モーターで走る動力源が、充電した電気か、水素をエネルギー源とした電気かという違いなのだ。走行フィールも同じで当然だろう。

画像: 新型ネッソの日本初試乗は東京ビッグサイト周辺を15分ほどだった。

新型ネッソの日本初試乗は東京ビッグサイト周辺を15分ほどだった。

短い試乗時間だったが、新型ネッソの魅力は伝わってきた。従来のネッソと比較しても商品力がかなり向上しているのがよくわかった。ではこの新型ネッソは日本でヒットするのだろうか? それはかなり難しいし、苦戦するだろう。

その要因はやはりインフラの問題が大きい。水素ステーションの絶対数が少なく、充填を不便を感じてしまうからだ。BEVの充電スタンドのようにせめて高速道路のサービスエリアに水素ステーションがあれば状況は変わるかもしれないが、それは現在のところ無理な話。新型ネッソは魅力も多いのだがそれほど多く販売できるとは思えない。それでも今回の試乗では、ヒョンデの水素電気自動車の実力の片鱗を感じることができた。もう少し長く公道で走るのが楽しみである。

画像: 韓国ではさまざまな水素関連事業を展開するヒョンデ。日本でもその存在感を増すことができるか。期待は大きい。

韓国ではさまざまな水素関連事業を展開するヒョンデ。日本でもその存在感を増すことができるか。期待は大きい。

ヒョンデ 新型NEXO 主要諸元

全長×全幅×全高:4750×1865×1690mm
ホイールベース:2790mm
最小回転半径:5.5m
車両重量:1890kg(Voyage)
モーター最高出力/最大トルク:150kW(204ps)/350Nm
水素タンク容量:162L/6.69kgH2
駆動方式:FWD
一充填走行距離:1014km(Voyage)
トランク容量:510L
サスペンション形式:前ストラット/後マルチリンク
ブレーキ:前Vディスク/後ディスク

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