2026年ゴールデンウイークの特別連載として、「世界を目指して計画されたが、幻に終わってしまった日本のスーパーカーたち」を紹介しよう。GW初日となる今回は1969年に市販を目指して発表された、いすゞ ベレットMX1600だ。

いすゞ ベレットMX1600(ISUZU BELLETT MX1600:1969)

今でこそ日本市場での乗用車販売から撤退してしまったいすゞだが、かつてはトヨタ、日産と並ぶ「自動車業界御三家」と呼ばれるメーカーだった。ベレット117クーペなどスポーティなラインアップを揃え、パワーユニットもDOHCを用意していた。

そのいすゞが1969年の東京モーターショーでお披露目したのが、ベレットMX1600だ。これは、いすゞの純レーシングカーであるベレットR6をベースに、イタリアのカロッツェリア・ギアによるウエッジシェイプのFRP製ボディを架装したもの。そのデザインは当時の国産車の中では出色だった。ノーズにはフロントスポイラーが格納され、高速走行時に姿を表すという先進的なデバイスも装備されていた。

画像: 1969年の東京モーターショーでお披露目されたときの、ベレットMX1600。そのデザインは当時の国産車の中では出色だった。

1969年の東京モーターショーでお披露目されたときの、ベレットMX1600。そのデザインは当時の国産車の中では出色だった。

コクピットの後ろにミッドシップ搭載されたエンジンは、DOHCエンジンのG161W型。これは当時117クーペに搭載されていたものと同一で、1.6Lながら10.3の高圧縮比とツインチョーク ソレックスキャブレターを組み合わせ、最高出力120psと最大トルク14.5kgmを発生した。

ただ、エンジン冷却や直進安定性の面でまだ課題があったと言われたこともあり、1970年の東京モーターショーでもエンジン冷却を考え、フロントグリルを設け、丸形四灯ランプとするなど、より現実的な姿で登場して市販が期待された。だが、折悪しく排出ガス規制(マスキー法)などスポーツカー受難の時代に入り、いすゞの願いは叶えられなかった。

画像: ペダルは3つともオルガン式。これも当時のレーシングカーからインスパイアされたものだった。

ペダルは3つともオルガン式。これも当時のレーシングカーからインスパイアされたものだった。

いすゞ ベレットMX1600 主要諸元

●全長×全幅×全高:4100×1650×1100mm
●ホイールベース:2450mm
●エンジン種類・排気量:直4 DOHC
●排気量:1584cc
●最高出力:120ps/7400rpm
●最大トルク:14.5kgm/5000rpm
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD

This article is a sponsored article by
''.