童夢 零&P-2(DOME Zero&P-2:1978〜1979)
レース界で名を馳せていた日本のコンストラクター、童夢(どうむ)が1978年のジュネーブモーターショーで「童夢 零(ゼロ)」というプロトタイプを発表した。先進性が目をひくクルマで、当時のスーパーカーでは鋼管スペースフレームが使われるのが常だったが、スチールモノコックフレームを採用した。ウエッジシェイプのボディは、まだ普及していなかった風洞を用いてデザインされ、Cd値は0.37とされた。
ミッドに搭載されたエンジンは日産のL28型 直6 SOHC。スーパーカーのエンジンとしてベストというわけではないが、手頃な高性能エンジンを選んだ。燃料供給はソレックス製キャブレター3基で行い、最高出力は145psを発生。トランスミッションはZF製の5速MTを組み合わせた。
童夢 零は仮ナンバーを付けての公道走行など発売への準備を進めていたが、運輸省(現在の国土交通省)との交渉が難航し国内での認定を諦めざるを得なかった。

他に類をみない、超ウエッジシェイプのスタイリング。P-2の全高は零より10mm高い990mm。
その後、アメリカでの認定を目指して、1979年にアメリカ法規に準じた仕様の「童夢 P-2」を開発する。現地の保安基準に合わせてバンパーの大型化やヘッドライトの高さ変更が行われた。シャシはスチールチューブフレームに変更されている。
市販への期待が高まっていたが、童夢がル・マン24時間レースに参戦するチャンスを得たことにより開発がストップ。残念ながらP-2も市販されることはなく、ル・マン仕様のレーシングカーとして生まれ変わった。

P-2のコクピット。インパネもボディと同じく直線基調でまとめられ、ステアリングホイールのデザインも独特。
童夢 P-2 主要諸元
●全長×全幅×全高:4235×1775×990mm
●ホイールベース:2450mm
●車両重量:950kg
●エンジン種類:直6 SOHC
●排気量:2753cc
●最高出力:145ps/5200rpm
●最大トルク:23.0kgm/4000rpm
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD


