新世代PHEVシステムで、兄貴分に勝るパフォーマンスを実現
なんとっても、新型RAV4の真骨頂はその走り。すべてが最新の、第六世代トヨタPHEVテクノロジーを搭載していることにある。エネルギー効率は世界トップレベル、大容量バッテリーの搭載と合わせて、力強い走りと従来のシステムを大きく凌ぐEV航続距離を実現した。

PHEVのベースモデル「Z」は車両本体価格が600万円。新型RAV4にはこれとGR SPORTのほかに、HEV仕様のZとAdventureがラインナップされる。
トヨタのPHEVラインナップの頂点に立つクラウンスポーツRS(第五世代PHEVシステム搭載)と比べても、そのアドバンテージは明らかだ。
システム最高出力は329ps(クラウンスポーツ RS比:+23ps)、駆動用のリチウムイオンバッテリーは58Ah(同+7Ah)、WLTCモードEV走行換算距離は約150km(同+約60km)、WLTCモード燃費は22.2km/L(同+2.1km/L)に達する。そうとうな期待感を抱きながら、試乗に臨んでもいいスペックと言えるだろう。
試乗コースは、東京文京区のトヨタ自動車 東京本社を基点に、首都高速5号大黒線の大黒パーキングエリアで試乗車を乗り換えて往復する。往路はRAV4 Zで横羽線を使い、復路はGR SPORTで湾岸線からアプローチしてみた。

大黒PAで充電中。新型RAV4は「電力を使う」のも得意で、付属のヴィークルパワーコネクターを使えば合計1500Wまで対応する100V外部給電用コンセントとしても活用できる。非常時にはガソリン満タン・バッテリー満充電の状態で約6.5~7日間ほどの給電に対応するという。
交通状況はところどころで渋滞が発生、デフォルトのドライブモードではエンジンがかかることはなく、モーターのみで走ることになった。クラウンスポーツでも感じたことだけれど、トヨタPHEVのEVモードはパワーフィールが絶妙に自然で力強い。
新型RAV4(Z)の場合は車両重量が約30kgほど軽いこともあってか、ことさら自然な加減速感が印象に残った。重量、サイズなどクラウンスポーツの「格上」感はともすれば重厚感を伴うけれど、RAV4の身のこなしはよりしなやかで潔い。といっても「軽々しい」のではなく、ほどよく粘る感触もある。
上屋とフロアまわりの「硬さ」のバランスもいい感じだ。路面状況によっては若干のヒョコヒョコ感が伝わってくるが、乗り心地はおおむね良好。ロードノイズや風切音まで含め、総じて快適性は非常に優れていると言っていい。
単なる「操る楽しさ」ではなく、「最適解」をつきつめたGR SPORT
その印象は、GR SPORTに乗り換えても変わらなかった。というより、乗り味の「丸み」に関してはZに勝るとも劣らないレベルにあることに驚かされた。

ウイングタイプのリアスポイラーもGR SPORTの証し。空力バランスを追求し、速度域を問わずすれた操縦安定性を実現しているという。

V字スポークを組み合わせた専用ホイールは、空力特性にも配慮したデザイン。1本あたり2.2kgという軽量化は、よりしなやかな乗り味につながっているようだ。
求められる減衰力を最適制御する専用設定のサスペンションチューニングやGRパフォーマンスダンパー、剛性アップパーツGRブレースなどの「強化」策は、ともすればハード志向の乗り味を予想させる。だが、意外やそれらがより上質な「しなやかさ」につながっているように思えた。
約20mm拡大されたトレッドなど、さまざまな専用装備はどちらかと言えば、「最適に調律」するための上級アイテム、と考えた方が良いのかもしれない。こと乗り心地の良さに関しては、1本あたり2.2kg軽い専用アルミホイール採用によるバネ下重量の軽さも効いているのだろう。
新型RAV4はさまざまな意味で、トヨタの「電動化」が新しいステージに入ったことを、実感させてくれた。従来のトヨタ ハイブリッドカーユーザーにも、効率を極めた「プラグインハイブリッド」の万能感をぜひ、体験してみて欲しいものだ。
もちろん、電動化モデル初心者にも違和感の少ない乗り換え候補としておススメしたい。RAV4というブランドが時代ごとに提案してきた「折々の自由な気ままさ」が、最先端の電動化技術とともに到達した魅力の粋は、とってもスマートでかなり刺激的だ。



