モーターマガジン社が2026年6月2日に発行したムック本「GTメモリーズ16 A60系セリカ/セリカXX」の中から、一部を抜粋してお届けしよう。今回紹介するTA63セリカ1800GT-Tは1982年9月に登場。国内乗用車初のツインカムターボエンジンを搭載し、「ツインカムか?ターボか?」というハイパワー論争に決着をつけたハイパフォーマンスカーになった。

XXの陰に隠れたセリカがツインカムターボ搭載で蘇る!

1981年7月2日、セリカXXの発売の陰に隠れがちだったが、この日、セリカシリーズ全体のフルモデルチェンジが行われた。当然、トヨタのスペシャリティカーの代表であるセリカも、エクステリアを先代の曲面基調からシャープな直線基調に改めた。

XXがリフトバックのみだったのに対して、セリカは2ドアクーペとリフトバックという構成。特徴的だったのがフロントフェイス。XXがオーソドックスなリトラクタブルヘッドランプ(ライズアップライト)だったのに対して、通常はスラントしたノーズに露出した状態で埋め込まれ一体化され、点灯時にランプ下部を支点にして起き上がるという構造だった。

画像: 直線基調でまとめられたリアビュー。XXはリフトバックのみだが、クーペが選べたのは従来のセリカを引き継ぐ。

直線基調でまとめられたリアビュー。XXはリフトバックのみだが、クーペが選べたのは従来のセリカを引き継ぐ。

これは厳しい風洞実験から生まれたシェイプで、エアカットフラップ一体式のバンパー、さらにエアスポイラー効果をもたせたリアトランクと相まってダウンフォースを生み出し、高速走行での安定性に寄与していた。ただ斬新ではあるが、かっこよさという面では賛否が分かれ「ヒラメ」などというあまりありがたくない愛称で呼ばれるようになったのは予想外だったろう。

その他、ボディカラーはスポーティさと優雅さを強調したイブニンググレーメタリックを含め、6色の新色を設定することにより11色という選択肢の多さも魅力だった。この辺はさすがトヨタという心配りだ。全体的には「初代ほどかっこよくはないが、2代目よりはいいかな?」という消極的肯定感が強かったという印象だった。

画像: XXと同様にバンパーはエアカットフラップとの一体成型。ボディの下に入る空気をカットしてボディリフトを抑える。

XXと同様にバンパーはエアカットフラップとの一体成型。ボディの下に入る空気をカットしてボディリフトを抑える。

デビュー時のエクステリア以外の概要もひととおり説明しておこう。エンジンは、1S-U型1.8L直4 SOHC(1800SV、1800ST)、3T-EU型1.8L直4 OHV(1800SX)、2T-GEU型1.6L直4 DOHC(1600GT、およびGTラリー)、18R-GEU型2L直4 DOHC(2000GT)というラインアップ。

フロントのサスペンションは全グレードともストラット式だが、リアは廉価グレードとなる1800SVとSTがラテラルロッド付き4リンク リジッドで、その他がセミトレーリングアームの独立式になっていた。ブレーキはSVとSTがフロント:ディスク、リア:LT式ドラム。それ以外は基本フロント:ベンチレーテッドディスク、リア:ディスクだが、1600GTラリーのみがリア:LT式ドラムとなっていた。この辺はコストとサイドブレーキターンのしやすさを鑑みたもの。

画像: リアビューも精悍さを感じさせる。視認性の高いブレーキランプとウインカーというシンプルなデザインが印象的だ。

リアビューも精悍さを感じさせる。視認性の高いブレーキランプとウインカーというシンプルなデザインが印象的だ。

ステアリングギアボックスはどのグレードもパワーステアリングなしのラック&ピニオンという組み合わせ。当時としてもかなりスパルタンな設定といえる。

このセリカ自体は一定の支持を受けていくが、GT系のエンジンが2T-GEU型や18R-GEU型というのはちょっと物足りないのも事実。そんな状況を見据えたようにデビューから約1年経過した1982年9月に追加発売され、もやもや感を払拭したのがセリカ1800GT-Tだ。

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