200台限定の理由は職人技にあり?タイヤとの相性も絶妙だ
意地悪目線でもっともシビアにチェックしようと思っていたのは、やはり快適性に関わるフィールだった。なにしろ「サーキット走行を存分に楽しむための技術や装備を搭載したモデル」だし。メーカーコンプリートとはいえ、いろいろと「トレードオフ」されているものがあるに違いない。

黒基調に赤いアクセント、アルカンターラ素材など、MAZDA SPIRIT RACING専用内装となる。12Rも基本的に変わりはないが、よく見ると、タコメーターのレッドゾーン部は小さく「▲」表示を追加している。ほどよくスパルタンではあるが、上質感もしっかり漂わせている。

少々、閉口させられたのがフルバケットシート(販売店オプション)だった。乗り降りはどうしても「よっこらしょ」になってしまう。座ってしまえばそれなりに脂肪のついた胴回りにもフィットしてくれるし、適度なクッション性もあって不快さはなし。ただ、もしも第二弾も同じ仕様で運よくオーナーになれたなら、たぶん標準仕様のセミバケットシートでいい。
ビルシュタイン製ダンパーを中心に、サスペンション関連は専用チューニングが施されている。ストラットタワーバーも標準装備。12Rに関しては、サスペンションアーム取付部の締め付けやホイールアライメント調整を熟練工が手作業で行い、高い精度を実現しているという。ちなみにエンジンについても、吸気ポート内側研磨などを「匠エンジニア」が手作業で実施。そのあたりが、200台限定たるゆえんなのだろうか。
なにはともあれ目指したのは「高速域で意のままに操る気持ち良さ」・・・とくれば、もっぱら、無駄な姿勢変化を抑制する方向で「引き締められている」のだと思うのが自然。ともすれば道路の継ぎ目やアンジュレーションなどにいちいち神経質に反応し、わかりやすいフィードバックをダイレクトにドライバーに伝えてくるに違いない、と想像できる。
だが「妙な期待」はしっかり裏切られた。こと12Rの乗り心地については、「街中からサーキットまで意のままに走る楽しさを追求した、走りと質感にこだわった」コアモデルを、凌いでいるかもしれない。
ロードノイズを含め、車外から侵入してくるノイズ系も比較的マイルドに思える。というか・・・ノーマルのロードスターと比べても(だいぶ前に試乗した初期のころのモデル比だが)、12Rのほうがロングドライブに適しているのではないか、とすら思えるほど快適だった。

鍛造アルミホイールは、RAYSとの共同開発による専用アイテム。12Rはブラック塗装に切削ラインを配した専用デザインだ。タイヤサイズは205/45R17で、試乗した12Rには最新のADVAN NEOVA AD09が装備されていた。ブレンボのブレーキセットとともに、販売店オプションとして設定されているものだ(単品扱いとなる)。
スポーツ走行向けでありながら公道での操りやすさ乗りやすさにもこだわったハイパフォーマンスタイヤ、ADVAN NEOVA(AD09)の特性にもよるのだろうか、けっこう粘る味付けだ。あらゆる身のこなしが滑らかにつながっていく。もちろん、路面の大き目な凹凸はそれなりの硬さで伝えてくるけれど、ブレの収まりが素早いこともあってコーナリング中でも挙動の変化が少なく、スムーズなラインどりが乱されることはない。
