19番グリッドからアントネッリが猛烈な勢いでオーバーテイクを連発
殊勲のポールポジションを獲得したピエール・ガスリー(アルピーヌ)の好スタートで始まったレースは、ラッセルが首位を奪った2周目の最終コーナーでシャルル・ルクレール(フェラーリ)がコースアウトして大クラッシュ、セーフティカーを経てマシン撤去のために赤旗中断となる波乱の出だしとなった。

シャルル・ルクレール(フェラーリ)のクラッシュによる赤旗中断による2回目のスタートではジョージ・ラッセルが(メルセデス)がリード。イタリアGPは非常に暑いコンディションで行われ、気温は約34度、路面温度は50度を超えた。
ほぼ全車がタイヤ交換して2種類の装着義務をクリアして臨んだ再スタートではハードタイヤを履いたラッセルが先行。ミディアムタイヤを履いたフェルスタッペンが7周目にガスリーをかわしてこれを追う形となった。
しかし、パワーユニット交換で19番手グリッドからのスタートながら、赤旗中断時にはすでに12番手に上がっていたアントネッリが、ミディアムタイヤで猛烈な勢いでオーバーテイクを連発。13周目には3番手浮上し、16周目にはフェルスタッペンもかわしてラッセルに迫ると、18周目には一気に首位に立つ。
だが、ここからラッセルも粘り、その後はオーテイクモードを使ってチームメイト同士で何度も首位を入れ替える展開になる。

レースはメルセデスのチームメイト同士の首位争いに、レッドブルのマックス・フェスルタッペンが食らいつくという展開に。
60年ぶりとなるイタリア人によるイタリアGP制覇
勝負の分かれ目となったのは、フェルスタッペンを確実に引き離したいチームからの指示で、ラッセル首位の状態で激しいバトルが小康状態となっていたレース中盤だった。
29周目、ランス・ストロール(アストンマーティン・ホンダ)が油圧トラブルでコース上にストップしたため、バーチャル・セーフティカーが発動。ここでハードタイヤのラッセルがステイアウトしたのに対し、2番手アントネッリと3番手フェルスタッペンはピットに飛び込んだのだ。
新品のミディアムタイヤを履いたアントネッリが6番手でコースに戻ったとき、ラッセルとの差は13秒ほど。ここから再び猛烈なペースを発揮したアントネッリは、37周目には2番手まで復帰。47周目にはついにオーバーテイクモードが使用可能な1秒以内に迫る。
こうなるとラッセルは苦しい。アントネッリは48周目の第1シケインでアウト側の荒れた路面に足元をすくわれてコースを外れるヒヤリとする場面はあったものの、事なきを得てすぐに差を縮めると、翌周には首位浮上。そのまま今季7勝目となるチェッカーに飛び込んだ。

今季7勝目をあげたキミ・アントネッリ(メルセデス)。ランキング2位のジョージ・ラッセル(メルセデス)とのポイント差を66点に広げた。
後方グリッドからの大逆転で、60年ぶりとなるイタリア人によるイタリアGP制覇を成し遂げたアントネッリは「信じられない展開になった。再スタートのとき、勝てるかもしれないと思ったんだ。最後は新しいタイヤのおかげでジョージを抜くことができた」と会心の逆転勝利に笑顔。
一方、ピットに入らなかったことが裏目に出た格好のラッセルは「あそこは2台ともステイアウトすると思ったから、キミが入ったと聞いた時はびっくりした。あの時点ではどちらが正解かわからなかったから、チームは(対フェルスタッペンに対し)戦略を分けて確実に勝利をモノにしたかったんだろう。結果的にキミの方の戦略が正しかった」とやや納得できない表情。
これで選手権首位アントネッリと2番手ラッセルとのポイント差は66点に広がった。

イタリアGPの表彰台。メルセデスの1-2フィニッシュとなったが、チーム内で戦略の違いが明暗を分けることに。

イタリアGPのタイヤ戦略。デグラデーションが極めて低かったため、赤旗中断時のタイヤ交換で多くのドライバーがレースを走り切ることができた。そんな中、アントネッリは追加のタイヤ交換を敢行、メルセデスはアントネッリとラッセルで異なる戦略を選択した。
F1グランプリは休みなく、スペインに移動。次戦第14戦スペインGPは、9月11日、首都マドリード郊外に新設される半市街地サーキット「マドリンク」で開幕、決勝レースは9月13日に開催される。(文:新村いつき)
2026年F1第13戦イタリアGP リザルト
2026年F1第13戦イタリアGP決勝 結果
1位 12 K.アントネッリ(メルセデス)53周
2位 63 G.ラッセル(メルセデス)+3.857s
3位 3 M.フェルスタッペン(レッドブル・RBPTフォード)+14.718s
4位 1 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+19.059s
5位 81 O.ピアストリ(マクラーレン・メルセデス)+19.253s
6位 44 L.ハミルトン(フェラーリ)+24.655s
7位 10 P.ガスリー(アルピーヌ・メルセデス)+27.351s
8位 41 A.リンドブラッド(レーシングブルズ・RBPTフォード)+45.136s
9位 43 F.コラピント(アルピーヌ・メルセデス)+47.353s
10位 22 角田裕毅(レーシングブルズ・RBPTフォード)+58.187s
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リタイア 18 L.ストロール(アストンマーティン・ホンダ)
リタイア 14 F.アロンソ(アストンマーティン・ホンダ)
2026年F1ドライバーズランキング(第13戦終了時)
1位 12 K.アントネッリ(メルセデス)267
2位 63 G.ラッセル(メルセデス)201
3位 44 L.ハミルトン(フェラーリ)191
4位 1 L.ノリス(マクラーレン)171
5位 16 C.ルクレール(フェラーリ)155
6位 3 M.フェルスタッペン(レッドブル)127
7位 81 O.ピアストリ(マクラーレン)116
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18位 14 F.アロンソ(アストンマーティン・ホンダ)3
20位 22 角田裕毅(レーシングブルズ)1
−位 18 L.ストロール(アストンマーティン・ホンダ)0
2026年F1コンストラクターズランキング(第13戦終了時)
1位 メルセデス 468
2位 フェラーリ 346
3位 マクラーレン 287
4位 レッドブル 204
5位 レーシングブルズ 75
6位 アルピーヌ 62
※モナコGPのP.ガスリー(アルピーヌ)3位ポイント抹消が確定




