昭和を駆け抜けた和製スポーツモデルたち。その勇姿を、モーターマガジン社の70年以上にわたる取材記録や当時の写真を基に紹介しよう。今回は、1967年にコロナをベースに発売された、トヨタ 1600GTだ。

ライバルを抑えて多くのレースで快勝を重ねる

リクライニング付きビニールレザー張りのバケットシートにフルスケールの大径メーターなどの計器盤、コンソールボックスなどがそれであった。トランスミッションも4速MTのほかに当時はまだ珍しい5速MT(トヨタ2000GT用を流用)を揃えた。価格は4速仕様が96万円、5速仕様が100万円ちょうどであった。

足まわりはサスペンションがフロントがダブルウイッシュボーン/コイル、リアがリーフリジッド、ブレーキはフロントがディスクでブースターが標準、リアはPCV付きのLT式ドラムだ。タイヤは6.45S 14-4PRのロープロファイルとおとなしいが、もちろんレーシングタイヤの装着が前提になっている。

画像: 9R型の1.6L DOHCエンジンは、ソレックスキャブを2連装し最高出力は110ps。クランクは3ベアリング型。

9R型の1.6L DOHCエンジンは、ソレックスキャブを2連装し最高出力は110ps。クランクは3ベアリング型。

ブラックのラジエターグリルで精悍さを際立たせたトヨタ 1600GTは、海外ラリーや国内レースに出場。当時の国内ツーリングカーレースではGT-Bの名でおなじみのS54型スカイライン2000GTやベレット1600GTが活躍していたが、トヨタ1600GTは昭和43(1968)年1月の全日本鈴鹿300kmレースのツーリング部門での優勝を皮切りに、スカイライン2000GT、ベレット1600GTを抑えての快勝が続いた。とくに5月の日本GPのサポートレースとして行われたツーリングカーレースでは1位、2位、4位を占めた(スカイライン2000GTは3位、5位、6位)。

しかし昭和43(1968)年9月、新シリーズのコロナ マークⅡの登場で、トヨタ 1600GTの生産は打ち切られ、わずか1年あまりで退場となる。最後の一花は生産中止後の昭和44(1969)年に開催された日本グランプリ。スカイラインGT-Rの初陣にひとアワ吹かせようと挑戦。トップでゴールしたが、ペナルティをとられ、GT-Rに敗れた。それでも2Lと対等に戦えた1.6Lのエリートマシンという記憶を見るものに残したのだった。

画像: いま見ても美しいアローライン。このボディシェイプは、3代目コロナ(RT40/50系)に由来するものだった。

いま見ても美しいアローライン。このボディシェイプは、3代目コロナ(RT40/50系)に由来するものだった。

トヨタ 1600GT 主要諸元

●全長×全幅×全高:4125×1565×1375mm
●ホイールベース:2420mm
●車両重量:1030(4速MT)/1035(5速MT)kg
●エンジン:直4 DOHC
●総排気量:1587cc
●最高出力:110ps/6200rpm
●最大トルク:14.0kgm/5000rpm
●燃料供給装置:ソレックスキャブレター×2
●トランスミッション:4速または5速MT
●駆動方式:FR
●タイヤサイズ:6.45S-14
●当時の車両価格:96万円(4速MT)/100万円(5速MT)

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