2026年10月1日〜4日(現地時間)、WRC世界ラリー選手権第13戦(最終戦)ラリー・イタリア・サルディニアが行われ、オリバー・ソルベルグ(トヨタ)が今季3勝目を飾ったが、注目のドライバーズタイトルは最後までもつれる劇的な結末となった。

文:Webモーターマガジン
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逆転でタイトル獲得かと思われたソルベルグに悲劇

最終戦を迎え、ドライバーズタイトル獲得の可能性があるのは、ポイントリーダーのエルフィン・エバンス、それを17ポイント差で追うサミ・パヤリ、21ポイント差で追うオリバー・ソルベルグの3人。いずれもトヨタで、誰が獲っても初戴冠となる戦いとなった。

その戦いは、最終戦ラリー・イタリア・サルディニアの最終日を迎えてさらにヒートアップ。総合順位によるポイントに加え、日曜日のみの合計タイムによって競われる「スーパーサンデー」のポイント、そして最終ステージのトップ5順位が対象となる「パワーステージ」のポイントがボーナスとして得られることから、最後のステージまで緊張感のある戦いが続いた。

そして、なんとかエバンスが首位を守るも、2位ソルベルグとの差1ポイントで迎えた運命の最終パワーステージ。エバンスとソルベルグ、先着した方がタイトルを獲得するという状況の中、エバンスはこのステージを3番手でフィニッシュ。その後でスタートしたソルベルグは、最後の区間タイムではエバンスを1.9秒も上回り、逆転でソルベルグがタイトル獲得かと思われた。

ところが、ソルベルグがフィニッシュ目前でコースオフを喫し、大幅にタイムを失い8番手のタイムでフィニッシュ。エバンスが3番手となったことに加え、スーパーサンデーでソルベルグが2位に後退したことから、エバンスが5ポイント差で選手権のリードを守り切り、コ・ドライバーのマーティンと共にキャリア初となるワールドチャンピオンに輝いた。

画像1: 逆転でタイトル獲得かと思われたソルベルグに悲劇
画像2: 逆転でタイトル獲得かと思われたソルベルグに悲劇
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選手権2位が5回、エバンスがついに戴冠

エバンスは2017年に地元ウェールズ開催のラリーGBでWRC初優勝を飾り、2020年トヨタに加入。その年からの6シーズンで5回にわたってドライバー選手権2位を獲得してきた。そして今シーズンは、第2戦ラリー・スウェーデンと第7戦ラリージャパンで優勝。シーズン後半に続いたグラベルラリーでは、選手権リーダーとして不利な出走順トップでステージを走り続けてきたが、厳しい状況でも確実にポイントを積み重ね、ドライバー選手権首位の座を最後まで守り続けた。

ソルベルグは、タイトル争いに敗れはしたが、トヨタでのフル参戦初年度の今年、第1戦ラリー・モンテカルロ、第12戦ラリー・チリ・ビオビオ、そして今回のラリー・イタリア・サルディニアと、シーズン3勝をマーク。今シーズン誰よりも多くのステージ優勝を獲得し、最終戦の最後のステージまで激しくタイトルを争い、選手権2位で初のトップカテゴリーフルシーズン参戦を終えた。

パヤリは今年、トップカテゴリーフル参戦2シーズン目ながら、第9戦ラリー・エストニアで初優勝し、続く地元の第10戦ラリー・フィンランド、第11戦ラリー・パラグアイと、3連勝を達成。今回のラリー・イタリア・サルディニアで3位となったことにより、今季の表彰台獲得回数は他の誰よりも多い9回となった。また、ドライバー選手権では2位ソルベルグとわずか1ポイント差の3位となり、キャリア最高位でシーズンを締めくくった。

勝田貴元は今シーズンは第3戦サファリ・ラリー・ケニアでWRC初優勝を成し遂げ、続く第4戦クロアチア・ラリーでも優勝。日本人として初めてWRCのドライバー選手権をリードするなど、シーズン前半戦はとくに素晴らしい結果を残し、年間ランキング6位でシーズンを終えた。

最終戦終了後、悲願を達成したエバンスは「波乱に満ちた最終日を乗り越え、ついにチャンピオンシップを勝ち取ることができたのだという実感が、まだあまり湧いてきません。パワーステージでは全てを出し切る必要があったのですが、乱雑な走りになってしまい、十分な速さを発揮できず、オリバーも終盤のあの瞬間までは、私よりも速いペースで走っていました。彼とエリオットのことは気の毒に思います。ふたりともこの週末、信じられないほど素晴らしい走りを見せていました。しかし、私たちのこの勝利はあのステージだけで勝ち取ったものではありません。1年を通しての努力の結晶であり、誇りに思えるチャンピオンシップでした。これまで何度も、あと一歩というところまでいっていたので、少しほっとしました。長年にわたり私を支えてくれた大勢の皆さん、とくにスコットとチームには心から感謝します」と喜びを表した。

画像1: 選手権2位が5回、エバンスがついに戴冠

なお、ソルベルグの優勝によりトヨタは今年13戦中12勝をあげ、マニュファクチャラー、ドライバー、コドライバーと3つのタイトルを独占した。WRCは来シーズンの2027年より新しい車両レギュレーションが導入されるため、5シーズンを戦ったGR ヤリス ラリー1にとっては今回が最後の戦いとなり、来シーズンはまた新しい戦いが始まる。

画像2: 選手権2位が5回、エバンスがついに戴冠

2026年WRC世界ラリー選手権 シーズンレビュー

2026年WRC世界ラリー選手権 結果

第1戦 モンテカルロ:1月22日〜25日/優勝オリバー・ソルベルグ(トヨタ)
第2戦 スウェーデン:2月12日〜15日/優勝エルフィン・エバンス(トヨタ)
第3戦 ケニア:3月12日〜15日/優勝 勝田貴元(トヨタ)
第4戦 クロアチア:4月9日〜12日/優勝 勝田貴元(トヨタ)
第5戦 スペイン:4月23日〜26日/優勝セバスチャン・オジェ(トヨタ)
第6戦 ポルトガル:5月7日〜10日/優勝ティエリー・ヌーヴィル(ヒョンデ)
第7戦 日本:5月28日〜31日/優勝エルフィン・エバンス(トヨタ)
第8戦 ギリシャ:6月25日〜28日/優勝セバスチャン・オジェ(トヨタ)
第9戦 エストニア:7月16日〜19日/優勝サミ・パヤリ(トヨタ)
第10戦 フィンランド:7月30日〜8月2日/優勝サミ・パヤリ(トヨタ)
第11戦 パラグアイ:8月27日〜30日/優勝サミ・パヤリ(トヨタ)
第12戦 チリ:9月10日〜13日/優勝オリバー・ソルベルグ(トヨタ)
第13戦 イタリア:10月1日〜4日/優勝オリバー・ソルベルグ(トヨタ)
第14戦 サウジアラビア:11月11日〜14日/開催中止

2026年 WRCドライバーズランキング(最終結果)

1位:E.エバンス(トヨタ)243
2位:O.ソルベルグ(トヨタ)238
3位:S.パヤリ(トヨタ)237
4位:S.オジェ(トヨタ)189
5位:A.フルモー(ヒョンデ)183
6位:勝田貴元(トヨタ)175
7位:T.ヌーヴィル(ヒョンデ)134

2026年 WRCマニュファクチャラーズランキング(最終結果)

1位:トヨタ 662
2位:ヒョンデ 440
3位:Mスポーツ・フォード 168

2026年 WRC第13戦(最終戦)ラリー・イタリア・サルディニア 結果

1位:O.ソルベルグ(トヨタ GRヤリス ラリー1)3h24m57.0s
2位:S.オジェ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+57.6s
3位:S.パヤリ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+1m37.4s
4位:A.フルモー(ヒョンデ i20N ラリー1)+2m38.6s
5位:E.エバンス(トヨタ GRヤリス ラリー)+4m48.1s
6位:勝田貴元(トヨタ GRヤリス ラリー1)+6m02.4s
7位:J.アームストロング(フォード・プーマ ラリー1)+7m32.2s
8位:R.コルホネン(トヨタ GRヤリス ラリー2)+12m10.4s
9位:R.ヴェルベス(シュコダ・ファビアRSラリー2)+12m11.1s
10位:G.グリーンスミス(トヨタ GRヤリス ラリー2)+13m02.2s

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