本田技研工業と日立オートモティブシステムズが、EV、HEV、PHEVなど電動車両用のモーター事業で合弁会社を設立することになった。自動車メーカーとサプライヤーがタッグを組むことは珍しくはないが、この新しい合弁会社の登場で、いったいなにが変わるのだろうか。

「お金がかかる」設備投資の課題をスケールメリットで解消

画像: 記者会見に臨んだのは、日立オートモティブシステムズ(株)の社長執行役員&CEOの関 秀明氏(写真左)と、本田技研工業(株)の代表取締役社長 社長執行役員 八郷隆弘氏

記者会見に臨んだのは、日立オートモティブシステムズ(株)の社長執行役員&CEOの関 秀明氏(写真左)と、本田技研工業(株)の代表取締役社長 社長執行役員 八郷隆弘氏

Honda初のハイブリッド車インサイトのデビューが1999年。日立オートモティブシステムズが電動車両用モーターを市場に投入したのも同じく1999年。だから仲良く手を携えて…というワケではない。

今回の合弁会社設立の発表は、今後世界的な規模で拡大していく次世代モータリゼーションに対応したもの。研究開発体制はもとより、製造段階での設備投資に関してスケールメリットを追求していくための、本田技研工業と日立オートモティブシステムズの戦略的コラボレーションなのだ。

社名はもちろん、その体制など詳細は協議中。
日本国内の拠点が茨城県ひたちなか市高場2520番地にあること。
事業内容が電動車両用モーターの開発、製造および販売になること。
設立予定が2017年7月になること。
そして、資本金は50億円で出資比率は日立オートモティブシステムズが51%でちょっとだけ多めになること。
が、発表されている。

Hondaだけでなく他メーカーにも供給。HITACHIブランドの新型車もアリ?

画像: 静岡県浜松市にあるトランスミッション製造部。ここで乗用車用のモーターを製造している。 www.honda.co.jp

静岡県浜松市にあるトランスミッション製造部。ここで乗用車用のモーターを製造している。

www.honda.co.jp

将来的には北米(ケンタッキー州が有力)と中国(広州市が有力)にも、製造工場を設立するとのこと。さらに、モーターだけでなく、パワートレーンとしてのシステム売りも考えている。しかもHonda系だけでなく「自動車メーカー各社からの需要に広く応える」ことを目指している。

地政的な意味合いも考えるなら、もしかするとメインのセールスターゲットは、IoTの流れの中で新たな「自動車製造業態」を生み出そうとしている北米のIT系企業とか、今後ますます増えるかもしれない中国民族系自動車メーカーへの供給なのかもしれない。あくまで想像だけれど。

さらに深読みするなら、これはHITACHIが部品を供給するサプライヤーから、一歩踏み出すきっかけになる、と言えるかもしれない。電動化技術だけでなく次世代車の要的技術である自動運転関連でも、日立オートモティブシステムズの技術力には定評がある。合弁会社を通してHITACHIブランドの新型車が世に生まれる可能性だって、ないとは言えないのだ。

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