1982〜1985年にかけて週刊少年ジャンプで連載されていた人気漫画「よろしくメカドック」。その作中には現代では名車と呼ぶにふさわしいモデルが多数登場する。今回はその中から、国産初の量産ミッドシップカーとして話題となった、トヨタの初代MR2をマンガの原画とともに振り返る。
1984年に登場したMR2は、国産初のミッドシップ・スポーツとして知られている。ミッド化の手法は、FFカローラの動力系をボディ中央に搭載したような構成となっていた。
エンジンは1.5リッターSOHCも用意されたが、主力はAE86レビン/トレノに先行して搭載されていた4A-G型4バルブDOHCだった。130ps/15.2kgmを発生するこのユニットは、すでに高いスポーツ性を評価されていたが、それをMR2に合わせて横置き用に改良して搭載したのだ。車重がAE86より10kg重いだけだったので、動力性能はAE86とほぼ同じ。実測値で、最高速187.99km/h、0-400m加速16.8秒と互角だった。
1986年には、低速トルクの増強を狙ってスーパーチャージャー搭載モデルを追加設定。最高出力は140ps、最大トルクは19.0kgmまで増強され、どの回転域からでも十分な加速を引き出せるようになった。
「よろしくメカドック」にMR2が登場したのは、連載も後半に差し掛かった東日本サーキットグランプリ編。連載初期のキャノンボールトライアル編でツインエンジン・ピアッツアを駆ったハイギヤードの東條誠が、こんどはMR2でZ31を駆る風見潤に勝負を挑んだ。「小排気量車の性能をレベルアップして大排気量車をブッちぎるのが本当のチューニング」と、舞台となった鈴鹿サーキットにフォーカスしたチューニングが施されていたが、その内容は不明だった。