クルマが一挙に大衆化した1970年代〜80年代。高性能車が続々と誕生し、クーペが若者の憧れだった時代を振り返る期間限定の連載の始まり。今回は、6気筒エンジンを搭載するセリカの上級バージョンとして誕生した、セリカXXの2代目=最後のセリカXXにスポットを当ててみた。
1981年7月に登場した2代目セリカXXは、初代ソアラとシャシを共用するスポーツスペシャリティカーとして開発された。初代XXが4気筒エンジンを搭載するセリカのストレッチバージョンだったことを思うと、その生い立ちからして異なる。
スタイリングは、端正なルックスのノッチバッククーペだったソアラに対して、XXはリトラクタブルヘッドランプを採用したシャープなウエッジシェイプの3ドアハッチバックを採用。Cd値は0.35を誇った。
搭載エンジンには2リッターの1G型直6もラインアップされたが、北米市場に軸足を置くクルマらしく、メインは国内最大級の直6DOHCであった5M-GEU型だった。170ps/24.0kgmのスペックは当時国内最強であり、最高速は208km/h、0-400m加速は16.0秒を叩き出した(実測値)。
1982年2月にはM-TEU型2リッター直6ターボ搭載車を追加するもATミッションのみの設定が災いしたかいまひとつ盛り上がりに欠けた。そこでスポーツ性を求める声に応えたのが、同年8月に追加されたのが1G-GEU型2リッター4バルブDOHCを搭載する2000GTだ。5速MTもラインアップされ、5ナンバーで乗れるスポーティカーとして人気を集めた。
サスペンションはソアラと同じ前ストラット、後セミトレだったが、セッティングは硬めでソアラとの違いは明白だった。ちなみにそのセッティングには、ロータスの総師コーリン・チャップマンが関わったとされる。
1986年に国内販売を終了。次期型は車名を北米仕様と同じ「スープラ」に改めた。つまり、セリカXXは2世代しか存在しなかったのだ。