大胆不敵なホットハッチスタイル。鋭い目つきの「中身」も見えた!
激走しているのは「the Montlhéry racing circuit」。フランス パリから南に1時間ほど走ったモンレリーという街にある。完成したのはなんと1924年で、欧州で3番目に古いサーキットだ。コース長は約2.5kmと、それほど大きなものではなさそうだが、映像を見る限りとてもタイトでハードで、かなりタフなシチュエーション。ちょっとだけニュルに似ている、と言ったら言い過ぎだろうか。
そんなコースをルノーF1チームのドライバー、ニコ・ヒュルケンベルグがニコヤカに攻めている。マシンは新型ルノー・メガーヌ R.S.。シビック タイプRにとってはフォルクスワーゲン ゴルフGTI(クラブスポーツS)とともに、ある意味、因縁の「ニュル友」だ。映像を見る限りいちおう擬装はされているけれど、スポーティなフォルムやランプ系の意匠、細部のデザインワークなど、その大胆不敵ぶりがかなりはっきり分かる。
セグメント初のテクノロジーで、ふたたびニュル最速を狙う!?
このホットモデルのファーストインプレッションは、ぜひニコに聞いてほしいのだが、やはり注目はこのセグメントで世界初を謳う4輪操舵システム「4CONTROL」だろう。
4CONTROL概説
「4CONTROL」は、リアアクスルに取り付けられた電磁アクチュエータによって後輪の舵角を制御することで、機敏性とコーナリング性能を高めるとともに、ドライバーの操作に対するステアリングの反応精度を向上させる技術だ。ルノー・スポーツのエンジニアはとくに、ハイスピード領域でのより優れた俊敏性とともにコーナリングの安定性を高め、クルマのパフォーマンスをかつてない領域まで引き上げることに成功した。
新型メガーヌR.S.は、マニュアルミッションとデュアルクラッチトランスミッションを設定。キャラクター的には「スポーツシャシー」と「カップシャシー」の2タイプが用意される。前者は高性能でありながらも快適な乗り心地など日常性能にも配慮した仕様。後者はサーキットでの「速さ」にとことんこだわった硬派だ。
発表は9月のドイツ フランクフルトモーターショーで、発売は2018年になる予定。日本への導入が、今から待ち遠しい。一方でもうひとつ気になるのは、やはりニュルラップ。新型シビック タイプRが4月に7分43秒80でレコードホルダーに返り咲いているが、新型メガーヌR.S.はそれを破ることができるのだろうか。