今回は記事を3回に分け、第1回クルマ紹介編(本記事)、第2回試乗編、第3回動画編(2017年10月14日公開)でお送りします。
普通自動車免許さえ持っていれば誰でもi-ROADに試乗できるようになったぞ!
トヨタや日産、ホンダなど、日本の自動車メーカーが開発・実証実験を進めている超小型モビリティ。街中でセブンイレブンの宅配車両(トヨタ車体のコムス)や観光地で走っている小型EVを見たことがあるという人も多いのでは? 一般ユーザーに販売されているモデルもあるが、現段階では企業や市区町村での使用が主なところだ。

トヨタ i-ROADは数ある超小型モビリティの中でもひときわスマートだ。
さて、これらよりもさらにひとまわり小さく、1人乗り(2人乗りもある)としたモデルが今回試乗したトヨタ i-ROADだ。ボディサイズは全長×全幅×全高=2345×870×1455mmとなり、これまでに登場した四輪の超小型モビリティより全幅で約200〜400mmもスマートになっている。見るからにコンパクトだ。

トヨタ i-ロードの後輪は、まるでフォークリフトのような動き。慣れるまでに少し時間がかかりそうだ。
大きな特徴は“後輪1輪の三輪車”で“後輪操舵”だということ。その最大のメリットは小まわり性能の高さで、最小回転半径は2.3mという驚異的な数値を記録している。これはトヨタ ヴィッツやアクアなど、一般的なコンパクトカーの約半分の数値だ。しかもコーナーでは、バイクのように車体を傾けながら曲がっていく独特のスタイル。そのため、前の2輪はバイク用のように細く、前から見るとUの字を描いている特注品なのだという。

トヨタ i-ROADのちょっと愛嬌のあるフロントマスク。ワイパーはもちろん装備。

トヨタ i-ロードのバッテリーはシート下に格納されている。

i-ROADのハンドルを切ると、後輪が右に左に方向を変える。

i-ロードは「ミニカー」や「マイクロカー」に分類され、50cc以下の原動機付き3輪車(1人乗り)として青ナンバー登録となる。2人乗りの場合は画像左のように軽自動車の黄色ナンバーとなる。

トヨタ i-ROADのタイヤはバイク用に似ているが、実は特注品。

トヨタ i-ロードのモーターはフロントホイールに1機ずつ、計2機を搭載する。
駆動は前輪ふたつのホイールに組み込まれたインホイールモーター(最高出力は2kW×2)が担当し、最高速は60km/h。家庭用の200V電源から約3時間で満充電となり、市街地を約30km走行できるという。座席後方にちょっとしたスペース(2人乗り用のシート)があるのでちょっとした買い物にも対応できそうだ。

i-ROADは軽量化のためドアはアクリルの部品を多く採用している。ちなみに、左右ドア両方が開閉する。

i-ロードのメーターは速度やバッテリー残量などを表示するシンプルなもの。

トヨタ i-ROADにシフトレバーはなく、ボタンで選択。駐車するときは「N」にする。

トヨタ i-ロードの減速のほとんどは、回生ブレーキで済んでしまう。ブレーキペダルは停車する瞬間だけ。

i-ROADのサイドウインドウは手動式。軽いのでマグネットで固定できてしまう。

ちょっと見えづらいが、i-ロードのリアシート。大人が座るには厳しいかも。
このトヨタ i-ROAD、実はまだ製品版ではなく、東京やフランス・グルノーブルで実証実験を行っているところなのだ。そんな試作車をいち早く体験することができるプログラムが2017年10月から名古屋で始まった。平日の火・水・木曜日に開催され、座学と実技による講習の後、名古屋市内の公道を周遊できるという体験プログラムだ。HP(https://drivetogo.jp/i-road/)にある電話番号から申し込みができる。
このプログラムに参加するため、私は名古屋へ向かった。
■トヨタ i-ROAD 主要諸元
●全長×全幅×全高=2345×870×1455mm ●車両重量=300kg ●インホイールモーター最高出力:2kW(×2機) ●駆動方式=FF ●バッテリー:リチウムイオン電池 ●航続可能距離=市街地で30km(30km/h定常走行で50km) ●乗車定員:1人
今回は記事を3回に分け、第1回クルマ紹介編(本記事)、第2回試乗編、第3回動画編(2017年10月14日公開)でお送りします。