2016年11月に登場以来、高人気を続けている日産ノートe-POWER。2017年9月の一部改良で安全運転支援装備を採用したので、さっそく試してみることにした。

先に買っちゃった人、怒らないかな…?

エンジンで発電し、モーターで駆動する新しい電動パワートレイン「e-POWER」を採用した日産ノート。
モーターらしい加速の良さとワンペダルで操作できる独特の感覚で、発売以来人気を呼んでいる。
ただ、個人的にはひとつだけ不満があった。それは「インテリジェント クルーズコントロール」を装備していなかったこと。
ノートe-POWERはアクセルペダルの踏み戻しだけで操作できる反面、ペダルの踏力(というか反発力か)が少し重い。ハイウエイでずっとアクセルを踏んでいると、力の弱い女性はもちろん、オトコのボクでも右足がけっこう疲れてくる。
ハイウエイ走行の多いユーザーなら、クルーズコントロールが欲しくなる。それも先行車との車間距離を維持して速度を調整してくれなければ…。

そんな意見を日産が聞き入れてくれたのか?2017年9月の一部改良で、インテリジェント クルーズコントロールやインテリジェント LI(車線逸脱防止システム)を新たに採用し、インテリジェント エマージェンシーブレーキの性能も向上させた。
また、ペダルの踏み間違い衝突防止アシストは約25km/hまで作動車速域を広げたり、ハイビームアシストもほとんどの車種で標準採用した。

今回、試乗したのが新グレードの「ブラックアロー」。ルーフやドアミラー、アウトサイドドアハンドルをブラック化し、ダークメタリック塗装の15インチアルミホイールを履いて、スポーティにまとめられている。
走りっぷりは、基本的には従来と変わってはいない。
発進から停止まで、ほぼワンペダルで走行できる独特の感覚は慣れると楽しい。
そのワンペダル走行の制御は少しリファインされたのか、とくに減速時にペダルを戻したときの車速の落ち方が以前よりスムーズになったようだ。
加速時にエンジンがかかると、いかにも「発電機!」といった感じでウイ〜〜ンとエンジンがうなりだしてしまうのは興ざめだが、まあ長時間続くわけではないので我慢しよう。

画像: エンジンは発電のみ、駆動はモーターのシリーズハイブリッド。ガソリンを入れるだけで充電の必要はない。

エンジンは発電のみ、駆動はモーターのシリーズハイブリッド。ガソリンを入れるだけで充電の必要はない。

ハイウエイでは、インテリジェント クルーズコントロールの本領発揮。ステアリングのスイッチをセットすれば、あとはクルマの流れに乗って走ってくれる。渋滞などで完全停止してしまうとキャンセルされるが、再始動時にセットし直せばいい。
緩やかなコーナーなどで車線を外れそうになると表示とブザーで警告し、車線内に戻す方向に力を短時間発生させる。
さすがにインテリジェント エマージェンシーブレーキや踏み間違い衝突防止アシストを試すことはなかったが、「転ばぬ先の杖」としてありがたい装備だ。交通量の少ない夜の地方道では、ハイビームアシストが有効だった。

今回、2日間の試乗で約350kmを走り、トータル燃費は21.5km/L。エコランはせず、エアコンは常時ON。箱根のワインディングも走ったし、東名集中工事渋滞を回避して迂回したり…と、燃費的にはキビしい条件だったから、これだけ走れば文句はないだろう。
室内の広さや使い勝手は問題なく、走りっぷりも燃費も文句なし。これに安全運転支援システムが装備されたのだから、フィットやアクア、デミオといったライバルに対して十分なアドバンテージが加わったと言えるだろう。

画像: 市街地、ハイウエイ、ワインディングと、どこでも不満のない走りっぷりを見せてくれた。

市街地、ハイウエイ、ワインディングと、どこでも不満のない走りっぷりを見せてくれた。

唯一心配なのは、この安全運転支援システム装着前のノートe-POWERを買ってしまった人が怒りそう…ということくらいだろうか(笑)。
なお、間もなくSUVテイストの「C-Gear」もラインアップに追加される予定だ。
(文:篠原政明/写真:安西英樹)

ノート e-POWER X ブラックアロー 主要諸元

全長×全幅×全高:4100×1695×1520mm
ホイールベース:2600mm
重量:1210kg
パワーユニット:直4DOHC+モーター・1198cc 
エンジン最高出力:58kW<79ps>/5400rpm
エンジン最大トルク:103Nm<10.5kgm>/3600-5200rpm
モーター最高出力:80kW<109ps>3008-1000rpm
モーター最大トルク:254Nm<25.9kgm>/0-3008rpm
タイヤ:185/65R15
価格:209万0880円

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