走りの質を高める工夫と最新の安全装備を付加!
ハイラックスとともにマイナーチェンジしたのがプラド。ランクル系の血統を継ぐ泣く子も黙るオフローダーだ。その実力は国内より海外で知れ渡る。アメリカではレクサス GX としても売られるシロモノだ。

フロントまわりは、フロントマスクのデザインやフロントフードの形状などが変更された。

リアの変更点はテールランプの形状やガーニッシュのデザインなど、細かい意匠が変更された。
さて、今回の登場ではデザインの変更が印象的。大型フロントグリルとヘッドライトユニットの構造が変わり、イメージを別物にする。ある意味オーセンティックではあるものの好印象。奇を衒うことなくカッコ良くなった。リアテールランプのデザインもそうで、これまでより大人っぽさを感じさせる。インテリアもインパネが変わり、イマドキさをアピールする。
それより何よりニュースなのは、シリーズ初のリアディファレンシャルのトルセンLSD(TZ-G に標準装備)。走行性能の向上に抜かりはない。ドライブモードセレクトと合わせ、扱いやすさは格段に上がった。

最上級グレードの TZ-G には KDSS(キネティック ダイナミック サスペンション システム)やリヤ電子制御サスペンションも装備しており、オンロードの快適な乗り心地と高いオフロード走破性を両立している。

最上級グレードの TZ-G には KDSS(キネティック ダイナミック サスペンション システム)やリヤ電子制御サスペンションも装備しており、オンロードの快適な乗り心地と高いオフロード走破性を両立している。
そんなプラドの走りはというと、乗り心地は快適でゴツゴツしたところはない。ハイラックスの試乗後ということもあるが、いたって乗用車的な乗り味だ。ステアリングフィールもそうで、これまでと変わらない。個人的にはもう少しダイレクト感が欲しいところではあるが、ずっとこの味付けできたことを鑑みればこれがプラドなのだろう。

マルチテレインモニターがセットになった「 T-connect SDナビゲーション DCMパッケージ」装着車のインパネ。木目調の素材を使うなど、落ち着いた雰囲気。

ベーシックグレード以外は写真のベージュ、またはブラック本革シートとなる。

7人乗りの 2列目は 6:4分割スライド・ウォークイン機構付きとなる。

TZ-G の 3列目シートは電動格納機構付き。格納用スイッチは、リアハッチ側とリアドア側の 2カ所に設置されている。

リアゲートは横開きでガラスハッチも装備している。

リアゲートは横開きでガラスハッチも装備している。

3列目シートは5:5分割、2列目シートは4:2:4分割で格納できる。
乗用車的という面では、安全装備の充実も注目ポイント。プリクラッシュセーフティ、レーンディパーチャーアラート、レーダークルーズコントロールなど、運転支援系はまさに最新。いつからオフローダーがこんなに快適かつ安全になったのか。若い頃 “ヨンク” を乗り回していた身としてはその進化にただただ感心するばかり、である。
ランドクルーザープラド TZ-G 主要諸元
●全長×全幅×全高:4825×1885×1835mm
●ホイールベース:2790mm
●車両重量:2320kg
●エンジン型式・レイアウト:1GD-FTV・直4ディーゼルターボ
●総排気量:2754cc
●最高出力:130kW[177ps]/3400rpm
●最大トルク:450Nm[45.9kgm]/1600〜2400rpm
●駆動方式:フルタイム4WD
●JC08モード燃費:11.2km/L
●燃料・タンク容量:軽油・87L
●タイヤサイズ:265/55R19
●価格:536万3280円(税込)
文:九島辰也/写真:森山俊一