近年、乗用車のサスペンションのほとんどはコイルスプリングを採用したものが多い。しかし、昭和の時代にはコイルではなく、リーフスプリングを採用したモデルも多かった。ではリーフスプリングとはなんだろうか。

文:飯嶋洋治

昭和のクルマはリアにリーフスプリングが多いと思うのですが?

サスペンションも四輪独立懸架が当たり前となり、乗り心地に難のあるリーフスプリングや、バネ下重量の低減をするために、リジッドのままデフをボディ側に固定したド・ディオン アクスルも、乗用車では見られなくなっている。

リーフスプリングは、板状の鋼を重ねてそれを束にした形のスプリング。現在はコイルスプリングがほとんどになっているが、昭和の時代はスポーティカーのリアにも使用されていた。

画像: ミツビシ ギャランGTO 2000GSRに採用されていた、リアのリーフスプリング。

ミツビシ ギャランGTO 2000GSRに採用されていた、リアのリーフスプリング。

コイルスプリングにくらべて乗り心地が硬くなるデメリットはあるが、リアサスペンションを構成することを考えると、エンジンからの駆動を伝えるホーシングとフレームをリーフスプリングで固定すれば成り立ってしまうというシンプルさは魅力的。

また、サスペンションへの入力があったとき、重なり合ったリーフの摩擦によって衝撃が減衰される(ショックアブソーバの補助的な役割をする)というメリットがある。しかし、乗り心地が重視されるにつれて消えていった。

画像: B10サニークーペ。スプリングでホーシングを固定すれば成り立つという簡易さも好まれた。

B10サニークーペ。スプリングでホーシングを固定すれば成り立つという簡易さも好まれた。

画像: 初代サニークーペにリーフスプリングが採用されていた。

初代サニークーペにリーフスプリングが採用されていた。

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