良い意味で「とっても普通」
アドバンHFタイプDに履き換えてから2カ月ちょっと、だいたい7000km以上走っている。
カメラマンという仕事をしているボク。全国のサーキットにも自走で行くので、やっぱり一般的な旧車達よりは、かなり酷使してるのかもしれないなぁ。普段のアシとして近場のチョイ乗りから、チョット遠くまで行くような取材にも常に活躍してくれている。
じつはこのアドバンHFタイプD、インパクトのあるトレッドパターンからは想像しにくいけど、いい意味で『とても普通』という印象は、前回のファーストインプレッションからまったく変わらないんだ。
以前履いていたタイヤが、昨今主流の「省燃費性」を重視したエコタイヤだった。それからアドバンHFタイプDに履き換えたコトもあってか、今まではコーナーリング性能をチョット心許なく感じていたけど、同じコーナーでも安心して入っていけるのはとても良い。
旧車ミーティングでは注目のマト
そして、同年代のクルマが集まるような、いわゆる「旧車ミーティング」に出かければ、前回の記事を読んでくれた人たちから『昔、憧れたタイヤなんで履いてみたいんですけど、どうですか?』と話しかけられることも多い。それだけ、当時このタイヤが人気だったんだよね。
彼のクルマも、ボクと同じ年式の同じCR-X。『やっぱり、トレッドパターンもサイドウォールもカッコいいですよね』と続ける彼に『当時と違ってハイグリップじゃないし、雨でも安心だからね。ボディのヤワなCR-Xにも大きな負担にはならないし、乗り心地も悪くないから普段履くにはいいんじゃないですか』と答えておいた。
このタイヤは。旧車での日常ユースはもちろんだけど、このグリップ感ならば、ミニサーキットでのチョットした走行会くらいなら、十分に楽しめるんじゃないかなと思う。本気でサーキットを走ったり、ジムカーナ等の競技でコンマ1秒を削り取るには、もっと用途にあったハイパフォーマンスなタイヤがあるんだから、そっちを選択すればいいんだし。
チョットくたびれたボディや、駆動系に大きなストレスを掛けずに、いい塩梅でスポーツドライビングが楽しめるのが、このタイヤの大きな魅力なんじゃないかな。さらに見た目が、あの時代のクルマ達にマッチしてて良いんだよね。
■文と写真:伊藤嘉啓