保守的に思えるトヨタだが、じつはトヨタの歴史はチャレンジの歴史でもあった。時代の先を行き過ぎたクルマから、一体どうした? と首をかしげたくなるクルマまで、トヨタのチャレンジを改めて俯瞰してみる。第2回は「ヴェロッサ」だ。

車名はイタリア語で「真実+赤」

一見、トヨタのクルマとは思えない意表を突くイタリアン・デザインが話題となったのが、2001年7月に発表された高級セダンのヴェロッサだ。だが、その販売期間はわずか2年8カ月という短命に終わった、なんとも不思議なクルマだった。ヴェロッサという車名は、イタリア語の「Vero(真実)」と「Rosso(赤)」からの造語という。

画像: フロントに比べればリアはおとなしめだが、前後フェンダーの大胆なラインも特徴的だった。

フロントに比べればリアはおとなしめだが、前後フェンダーの大胆なラインも特徴的だった。

ヴェロッサは、マークII3兄弟がX110系に移行するに際して、チェイサー、クレスタの統合・後継車として登場した。パワートレインやサスペンションなど、中身はマークIIとほぼ同じ(ゆえに型式もJZX110/GX110でマークIIと同じ)だったが、その冒険心あふれるデザインが最大のアピールポイントとなった。

画像: アグレッシブなエクステリアに対し、インテリアは比較的オーソドックスだった。

アグレッシブなエクステリアに対し、インテリアは比較的オーソドックスだった。

しかし、2004年4月に販売店であるビスタ店がネッツ店に統合されることになり、その成果が精査される前にあえなく販売中止になってしまった。後継車はなく、再びマークIIに統合されることになる。総生産台数は、約2万4000台。野心作でもあったゆえ、後継車があればどんなクルマになったのか、その成長ぶりを見てみたかったものだ。

画像: 写真は2.5L直6ターボを搭載した最上級グレードのVR25。ミッションは5速ATだった。

写真は2.5L直6ターボを搭載した最上級グレードのVR25。ミッションは5速ATだった。

ヴェロッサ20 主要諸元

●全長×全幅×全高:4705×1760×1450㎜
●ホイールベース:2780㎜
●重量:1380kg
●エンジン型式・種類:1G-FE・直6DOHC
●排気量:1988cc
●最高出力:160ps/6200rpm
●最大トルク:20.4kgm/4400rpm
●10・15モード燃費:11.8㎞/L
●燃料・タンク容量:レギュラー・70L
●トランスミッション:4速AT
●タイヤサイズ:205/55R16
●価格(当時):240万円~

This article is a sponsored article by
''.