ランサーエボリューションⅨってどんなクルマ?
ランサーエボリューション(ランエボ)は、もともとはランサーをベースに高出力ターボエンジンを搭載、WRC(世界ラリー選手権)でのホモロゲーションを取得するために生産されたモデルだ。
初代ランエボは1992年に発売。以降ランエボシリーズは、WRCをはじめスーパー耐久などさまざまな国内外のラリー/レースにて活躍していく。通常のランエボシリーズのほかにも「エボⅥトミ・マキネンエディション」や「エボⅦ GT-A」(5速AT搭載車)、「エボⅧ MR」など、改良モデルも多く登場している。
ランサーエボリューションⅨは、2005年3月2日に発表、翌3月3日に発売されたモデル。ランエボシリーズでは、派生モデルを含めると12モデル目にあたる。
エクステリアでは、先代ランエボⅧで不評だった、ダイムラー・クライスラーからミツビシに移籍したデザイナー、オリビエ・ブーレイ氏デザインのフロントマスク(通称:ブーレイ顔)をシンプルなものに一新、開口部を大きく設けて冷却性能も確保している。
エンジンは名機4G63ターボをベースに、吸気側に連続可変バルブタイミング機構(MIVEC)を採用。(4G63 MIVECターボ)。これにより、高回転域で高い性能を維持しながら燃費を向上。GSRグレードの10・15モード燃費で従来よりも3%向上の10.0km/Lを達成した。
またターボチャージャーのコンプレッサーハウジングのディフューザー形状を改良、さらにコンプレッサーホイールをアルミ合金からマグネシウム合金に変更させることで低中速トルクを向上、また全域でレスポンスも向上させた。
最高出力は280ps/6500rpm。最大トルクは、5速MT仕様は407Nm/3000rpm、6速MT仕様は400Nm/3000rpm。このランエボⅨでは、最上級グレード「GSR」、モータースポーツベースのグレード「RS」に加え、「GSR」と同様の遮音性能を持つボディに「RS」と同じ駆動系システムを採用した「GT」グレードをラインアップ、3グレードでの展開となっている。
この年の9月には、ランエボシリーズ初のワゴンモデルとなる「ランサーエボリューションワゴン」も発売、シリーズの拡充を図っていく。
この頃のミツビシは多難の時期。2000年におきたリコール隠し問題、同年ダイムラー・クライスラーとの資本/業務提携、2004年のさらなるリコール隠し発覚、2005年の日産との事業提携、三菱グループからの増資、ダイムラー・クライスラーとの資本関係解消など、激動の時代になった。
2005年シーズンは「ランサーWRC05」マシンでWRCに参戦していたが、2005年12月14日、業績の悪化した会社の経営再建に徹するために、2006年度からのWRCワークスチーム活動を休止すると発表された。
2007年には最後のランエボとなる「ランサーエボリューションⅩ」が登場。改良が加えられながら2015年まで販売された。
車両価格(当時。税別)
GSR 6速MT 電子制御フルタイム4WD 340万円
GT 5速MT フルタイム4WD 316万円
RS 5速MT フルタイム4WD 280万円
2005年(平成17年)には何があった?
ニュース
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ヒット曲
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●青春アミーゴ 修二と彰