あの“コブラ”のハイパワーユニットをマスタングに搭載
1964年にデビューした初代フォード・マスタングは、T型フォード以来の大ヒットカーと言われたほど人気を集めた。そんなマスタングに目をつけたのが、キャロル・シェルビーだった。
![画像: 流麗なファストバックの初代マスタングは、日本でも人気を集めた。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2019/03/20/404bac5ccdd45c303af58e18254b9ba15c719121_xlarge.jpg)
流麗なファストバックの初代マスタングは、日本でも人気を集めた。
大戦後、ヨーロッパのレースで成功した数少ないアメリカ人レーシングドライバーのひとりだったシェルビーは、英国の古い小スポーツメーカーだったACとコラボし、フォード製の4.8L V8を搭載したマッチョなスポーツカー“コブラ”を生み出し、人気を集めた。
![画像: リアバンパー上のコブラ・マークはフュエルキャップも兼ねている。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2019/03/20/155d7bbf93aa7c838cee9ae665401bfcce11a767_xlarge.jpg)
リアバンパー上のコブラ・マークはフュエルキャップも兼ねている。
このコブラの成功を機に、フォードは「シェルビー」を高性能イメージのシンボルとして、マスタングのサブブランドに採用した。だが正式名称は「シェルビー GT350」と、マスタングは付かない。
289キュービックインチ(4728cc)のV8 OHVユニットはアルミ合金製のインテークマニフォールドにホーリー製の巨大な4バレル型キャブレターを装着し、306psと45.5kgmを発生した。
![画像: 289キュービックインチ(4728cc)のV8 OHVはホーリー製4バレルキャブを装着し、306ps/45.5kgmを発生。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2019/03/20/0f6d8f9838d21fd08fcc05cf7a551cc7b1aa530a_xlarge.jpg)
289キュービックインチ(4728cc)のV8 OHVはホーリー製4バレルキャブを装着し、306ps/45.5kgmを発生。
1970年までに、このマッチョなマスタングは1万台5000台近くが製作されたが、そのほとんどがここで紹介しているファストバックモデルで、特注としてコンバーチブルモデルが1500台あまり製造された。
ファストバックではリアクオーターにプラスティック製のウインドーが付けられ、ノーマルではドラムだったリアブレーキはディスクに換えられ、フェンダーには冷却用のエアインテークが備わる。そしてボンネットにも4バレルキャブ用のエアインテークが設けられていた。
![画像: ステアリングはモトリタ製のウッド。ダッシュボート上にスパイラル針付きのタコメーターが備わる。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2019/03/20/e5fdc722ce5facfde0cf7014a770767cc9689f24_xlarge.jpg)
ステアリングはモトリタ製のウッド。ダッシュボート上にスパイラル針付きのタコメーターが備わる。
低く、豪快な排気音をまき散らして加速する様子は、コブラを彷彿とさせるもの。まさにアメリカン・ドリームの象徴的なマシンだった。
![画像: シートバックはリクラインしない。シートベルトは2点式。リアシートは折りたたむとフラットなラゲッジスペースになる。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2019/03/20/59ff37c8504c93cdfa713628b78ff3f159bf5782_xlarge.jpg)
シートバックはリクラインしない。シートベルトは2点式。リアシートは折りたたむとフラットなラゲッジスペースになる。
シェルビー GT350(1966年) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4610×1800×1330mm
●ホイールベース:2743mm
●重量:1330kg
●エンジン種類:90度V8 OHV
●排気量:4728cc
●最高出力:306ps/6000rpm
●最大トルク:45.5kgm/4200rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:225/50VR15