平成スポーツカー図鑑も佳境に入り、いよいよ現行型が登場することになった。今回は、ニュルブルクリンクのレコードホルダーとなった現行型シビック タイプRだ。(ホリデーオート2019年4月号より)

ニュルFF最速のタイプRは320psを活かし切るボディ&シャシにも注目

「シビック タイプR(FK8型:2017年9月発売)

画像: 5ドアハッチバックがベースだが、全身エアロパーツで武装されている。

5ドアハッチバックがベースだが、全身エアロパーツで武装されている。

シビック タイプRのエンジンが2Lターボになったのは先代のFK2型から。このモデルでルノー・メガーヌR.S.トロフィーRが持っていたニュルブルクリンクFF最速タイムを更新して、ライバルとレコードホルダーを競い合うという重い十字架を背負っていくことになる。

画像: 先進のエアロダイナミクスを導入し、優れたCd(空気抵抗)値を実現しながらCL(揚力)のマイナスリフト化を達成している。

先進のエアロダイナミクスを導入し、優れたCd(空気抵抗)値を実現しながらCL(揚力)のマイナスリフト化を達成している。

その後、ゴルフGTIクラブスポーツがタイムを更新すると、負けじとばかりにこのFK8型シビックタイプRが7分43秒80というタイムをたたき出して、再び最速王の座に返り咲く。

画像: 高出力・高レスポンスの2L VTECターボエンジンK20C型を搭載。低回転からピークまで胸のすく吹け上がりが続く。

高出力・高レスポンスの2L VTECターボエンジンK20C型を搭載。低回転からピークまで胸のすく吹け上がりが続く。

パワートレーンは2Lの直4DOHC VTECターボを搭載し、最高出力320psと最大トルク400Nmを発生。これに変速時に回転数を自動で調整するレブマチックシステムを採用した6速MTを組み合わせる。

画像: レブインジケーター採用の専用メーターにカーボン調パネル、メタリックな赤を組み合わせ、コクピットをスポーティに演出。

レブインジケーター採用の専用メーターにカーボン調パネル、メタリックな赤を組み合わせ、コクピットをスポーティに演出。

しかし、ニュル最速に君臨するためにはパワーだけでは無理。リアにはマルチリンク式サスペンションを新たに採用したことをはじめ、高剛性化を図った新プラットフォーム、20インチタイヤの採用、ホイールベースおよびトレッドの拡大、重量配分の最適化などに加え、エアロダイナミクス性能をより高めたエクステリアデザインなど、そのすべてを速さに直結するもので武装している。

一方、ドライブモードではコンフォートも備え、一般道ではいたって快適な乗り心地を提供することも、このシビックタイプRの持ち味だ。

画像: 強力なコーナリングGやブレーキGでもドライバーの操縦姿勢をしっかり保持するタイプR専用シートを採用。

強力なコーナリングGやブレーキGでもドライバーの操縦姿勢をしっかり保持するタイプR専用シートを採用。

ホンダ シビック タイプR(現行型)主要諸元

●全長×全幅×全高:4560×1875×1435mm
●ホイールベース:2700mm
●重量:1390kg
●エンジン型式・種類:K20C型・直4 DOHCターボ
●排気量:1995cc
●最高出力:320ps/6500rpm
●最大トルク:400Nm/2500-4500rpm
●トランスミッション:6速MT
●タイヤサイズ:245/30ZR20
●価格:450万360円

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