東京・ベイエリアのクルマのテーマパーク、メガウェブでは2019年7月8日(月)まで「ル・マンに挑んだ日本車」と題して、特別展示を実施中だ。ル・マンに挑んだ日本車の中から、エポックメイキングなモデルを4台紹介していこう。今回は1995年の「ホンダ NSX GT2」だ。

市販車ベースのGT規格に完全移行した1995年にクラス優勝

前回紹介したマツダ 787Bが優勝した1991年のル・マンは、レギュレーションの変更で混乱も見られたが、翌1992年からスポーツカーレースの世界選手権はターボを禁止した新グループCカーに完全移行した。だが、ル・マンだけはFIAの許可のもと、1994年まで特別に旧タイプのグループCカーによる参戦が認められた。

画像: フェンダーは広げられているが、市販車がベースなので大きくは改造されていない。

フェンダーは広げられているが、市販車がベースなので大きくは改造されていない。

マツダは1992年まで参戦を継続。1992年から復帰したトヨタは1994年に旧グループCカーの94C-Vで2位を獲得するが、優勝には至らなかった。

市販車ベースのGT規格に完全移行した1995年には、多くの国産GTが参戦した。ホンダのNSX、トヨタのスープラGT LMに加え、日産がスカイラインベースのニスモGT-R LMで5年ぶりに復帰。また、プライベート・コンストラクターのサードがトヨタ MR2ベースのサードMC8Rを開発して参戦した。

画像: 市販車とは別モノの大型のリアウイングが装着されている。

市販車とは別モノの大型のリアウイングが装着されている。

ここで紹介するNSXは、ミッドシップ搭載されたエンジンとトランスミッションは横置きのまま、つまり市販車に近い仕様でGT2クラスに参戦した。

このマシンとは別に、GT1クラスにもNSXはエントリー。3LのV6エンジンを縦置きに変更し、ツインターボを装着して650ps以上を発生したのだが、決勝ではスタートから36分でリタイアしてしまった。

画像: ハンドル位置は左。ミッションはシーケンシャルシフトのようだ。シフト手前にコース図が貼られていた。

ハンドル位置は左。ミッションはシーケンシャルシフトのようだ。シフト手前にコース図が貼られていた。

だが、GT2仕様のNSXは、3.6Lターボのポルシェ911や7L自然給気のキャラウエイ・コルベットといったライバルを相手に、困難なウエットコンディションの中を着実に周回をかさね、総合8位、GT2クラス優勝を成し遂げたのだった。

画像: ポリカーボネート製のリアウインドー越しに横置きされたV6エンジンが見える。

ポリカーボネート製のリアウインドー越しに横置きされたV6エンジンが見える。

ホンダ NSX GT2 主要諸元

年式(参戦年):1995年
全長×全幅×全高:4430×1810×1095mm
ホイールベース:2530mm
車重:1050kg以上
エンジン:V型6気筒 DOHC 自然給気
排気量:2977cc
最高出力:287kW(390ps)以上
ドライバー:高橋国光(日本)、土屋圭市(日本)、飯田 章(日本)

画像: ル・マンに挑んだ日本車は、7月8日(月)までメガウェブ ヒストリーガレージ1F モータースポーツヘリテージで展示中だ。 www.megaweb.gr.jp

ル・マンに挑んだ日本車は、7月8日(月)までメガウェブ ヒストリーガレージ1F モータースポーツヘリテージで展示中だ。

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