旧さを感じる一方でパジェロならではの良さは今も健在
あぁ、ついにこのときが来てしまった。町でも砂漠でも一世を風靡したあのパジェロが販売終了なんて…。国内法規への対応が一部で困難となったため、2019年8月をもって国内向けの生産を終了するのだ(日本の法規が関係ない海外向けの生産は継続)。それを受けて発売されたのが、この限定車だ。
![画像: マッドフラップやスペアタイヤカバーはファイナル エディション用のパッケージオプションの一部。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2019/06/18/8c4b734246d4e929479ebbd2f4dc6472e14e3a5f_xlarge.jpg)
マッドフラップやスペアタイヤカバーはファイナル エディション用のパッケージオプションの一部。
内容は「エクシード」をベースに、本革シートと前席パワーシート、ルーフレール、電動サンルーフ、リアデフロック、サイド&カーテンエアバッグ、寒冷地仕様などを標準装備するほか、ディーラーオプションでリアデフレクター、メッキのスペアタイヤカバー、アルミプレート仕様のマッドフラップの3点パッケージを設定。
さらに成約特典として専用ロゴとシリアルナンバー入りのスカッフプレート、オリジナルウォッチ、ステッカーも付属する。
![画像: カーナビはオプション。ステアリングは最新のSUVに比べると重いが、重厚感のあるフィールだ。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2019/06/18/7fd0a340e5a663865a235f776e8bd7a5841064df_xlarge.jpg)
カーナビはオプション。ステアリングは最新のSUVに比べると重いが、重厚感のあるフィールだ。
雪上ではたびたび乗る機会はあったものの、筆者も舗装路でパジェロに乗るのは久しぶり。昔ながらのキーをひねると目覚める3.2Lの直4ディーゼルが伝えるにぎやかな音や振動もパジェロにとっては〝味〞のうち。力強い加速フィールも男気を感じさせる。
やや重めのステアリングや、ゆったりとした操縦性もパジェロならでは。先進安全運転支援装備の類いはなくても、思いのほか直進安定性に優れ、路面の影響を受けにくい。
高速巡行時のフラット感も高く、意外やハイウエイクルーザーの一面を持ち合わせていたことも印象的だった。今回は試していないが、厳しい環境で真価を発揮する悪路走破性の高さは言うまでもない。
これほどのクルマが約450万円というのは、かなり買い得感が高い。限定700台のうち5月末時点で既に約300台が売れたそうなので、欲しい人はうかうかしているわけにはいかない。
なんだかひとつの時代が終わる気がして実に寂しい限り。いつの日かパジェロのDNAを持つ新型車が出てくることに期待しつつ、この雄姿を目に焼き付けたのだった。(文:岡本幸一郎/写真:森 浩輔)
![画像: エンジンは190ps/45.0kgmを発生する3.2Lディーゼルターボ。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2019/06/18/358c8e4d04f66b58bd60c2b36d1357a7c96ad23b_xlarge.jpg)
エンジンは190ps/45.0kgmを発生する3.2Lディーゼルターボ。
パジェロ ファイナル エディション 主要諸元
●全長×全幅×全高:4900×1875×1900mm
●ホイールベース:2780mm
●重量:2340kg
●エンジン型式・種類:4M41・直4DOHCディーゼルターボ
●排気量:3200cc
●最高出力:140kW[190ps]/3500rpm
●最大トルク:441Nm[45.0kgm]/2000rpm
●燃料・タンク容量:軽油・88L
●トランスミッション:5速AT
●タイヤサイズ:265/65R17
●税込み価格:453万600円