昭和は遠くなりにけり…だが、昭和生まれの国産スポーティカーは、日本だけでなく世界的にもブームとなっている。そんな昭和の名車たちを時系列で紹介していこう。ここでは1970年発売の日産 ローレルHT 2000GXを解説。

スポーツ心を秘めたハイグレード パーソナルカー

日産 ローレルHT 2000GX:昭和45年(1970年)6月発売

画像: 流麗な2ドアHTスタイル。最高速度は180km/h、0→400m加速は17.2秒(いずれもカタログ値)。

流麗な2ドアHTスタイル。最高速度は180km/h、0→400m加速は17.2秒(いずれもカタログ値)。

ローレルは、当時は空白だった中間クラスの1800ccで「ハイオーナーセダン」を謳い、1968年(昭和43年)3月にセダンがデビューした。エンジンは4気筒、SOHC、1815cc、100psのG18型オンリーで、これを510型ブルーバードに似た直線基調のスタイルの4ドアセダンに搭載した。

1500〜1600ccまでのファミリーカーと法人需要中心の2000ccに二分されていた当時の乗用車市場では、すぐれた着眼というべきで、事実、各社の1800ccもその後相次いで登場している。

画像: エンジンは旧プリンスの流れをくむG20型。SUツインキャブによって125psを発生する。低回転域ではトルクがあったが高回転域での振動が大きかった。

エンジンは旧プリンスの流れをくむG20型。SUツインキャブによって125psを発生する。低回転域ではトルクがあったが高回転域での振動が大きかった。

そして、1970年6月には2Lエンジンと日産車では初の前後サイドウインドーがフルオープンになるピラーレス2ドアHT(ハードトップ)を加えた。このHT2000の最高級モデルがGXである。

4ドアセダンのボディをベースにしてホップアップラインを採用したHTに、これもG18型1800をベースにした4気筒、SOHC、1990cc、ツインキャブで125psのG20型エンジンを搭載した。最高速は180km/h。

画像: 大きな角形メーターを配置したインパネ。最高速180km/hの快速スポーツモデルというよりハイオーナーカーの雰囲気が強い。ステアリングは3本スポークタイプ。

大きな角形メーターを配置したインパネ。最高速180km/hの快速スポーツモデルというよりハイオーナーカーの雰囲気が強い。ステアリングは3本スポークタイプ。

装備もフライトコクピットタイプのインパネにウッドステアリング、熱線リアウインドーなどが標準で、オプションでパワーウインドーも設定した、ハイグレードなパーソナルカーである。片側3個のテールランプが曲がる方向に順次点滅する、流れるフラッシャー(シーケンシャルフラッシャー)も人気を呼んだ。

1972年4月、フルモデルチェンジでローレルはC30系からC130系に代わり、後に大人気となるHT2000SGXが登場する。

L20型エンジンを搭載したこのSGXはチューニングカーとしても活躍するが、このモデルについてはあらためて紹介したい。

画像: 日産車では初の前後のサイドウインドーがフルオープンする2ドアHT。シーケンシャルフラッシャーだったのでテールランプは横長。

日産車では初の前後のサイドウインドーがフルオープンする2ドアHT。シーケンシャルフラッシャーだったのでテールランプは横長。

昭和の名車のバックナンバー

ローレルHT 2000GX 主要諸元

●全長×全幅×全高:4330×1605×1380mm
●ホイールベース:2620mm
●重量:1020kg
●エンジン型式・種類:G20型・直4 SOHC
●排気量:1990cc
●最高出力:125ps/5800rpm
●最大トルク:17.5kgm/3600rpm
●トランスミッション:4速MT
●タイヤサイズ:6.45S-14-4PR
●価格:87万5000円

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