昭和は遠くなりにけり…だが、昭和生まれの国産スポーティカーは、日本だけでなく世界的にもブームとなっている。そんな昭和の名車たちを時系列で紹介していこう。ここでは1970年発売のダイハツ フェローMAX SSを解説。

当時の軽最強エンジン 40psのZM5型を搭載

ダイハツ フェローMAX SS:昭和45年(1970年)7月発売

画像: 前も後ろも独特のスタイリングだ。

前も後ろも独特のスタイリングだ。

1970年(昭和45年)4月、ダイハツ フェローはフルモデルチェンジでボディを一新。駆動方式をFRからFFに改め、車名も「フェローMAX」としてデビューした。

ロングノーズ & カムテールのボディは2ドアのみで、サスもフロントがストラット、リアはセミトレーリングアームの4輪独立懸架となった。

同年7月、スポーツ系のトップモデルとしてSS(スーパースポーツ)を追加。搭載エンジンは水冷、2サイクル2気筒、356cc、ツインキャブで40psのZM5型で、これはミニカ70SS/同GSSの38psを抜く、当時の軽ではもっともパワフルなエンジンとなった。最高速も120km/h、0→400m加速は19.8秒を記録した。

画像: 軽とは思えないスポーツ心に満ちた運転席。装備は1クラス上の大衆車(1000ccクラス)にも引けをとらない。

軽とは思えないスポーツ心に満ちた運転席。装備は1クラス上の大衆車(1000ccクラス)にも引けをとらない。

この頃、前述のミニカ70GSS(38ps)、ホンダ NIII360T(36ps)、フロンテSSS(36ps)などに対するパワー面の劣勢をはね返すべく、ダイハツから発売されたのがフェローMAX SSだった。

11.0と圧縮比を高め、軽自動車最強の40psをマークしたが、ピークパワーの発生は7200rpmと高回転側に振られたため、低回転域はスカスカ。常に高回転をキープした走りを強いられた。

装備は木目ナルディタイプのステアリングホイールにタコメーター、スポーティホイール、コンソールボックス、デュアルエキゾーストパイプなどを標準装備とした。

同じ40psエンジンを搭載して装備を簡素化した「S」も設定された。シングルキャブ仕様のファミリータイプは、33psのZM4型を搭載する。

画像: フェローMAX SS最大の魅力は軽自動車最大のパワーを引き出したこの40psエンジンにあった。2サイクル2気筒で圧縮比はなんと11.0。

フェローMAX SS最大の魅力は軽自動車最大のパワーを引き出したこの40psエンジンにあった。2サイクル2気筒で圧縮比はなんと11.0。

1972年、排出ガス規制対策でSSはデチューン版のZM13型、37psに換装。ファミリータイプはZM12型の31psとなった。

さらに1975年2月、37psのZM13型は廃止、31psのZM12型のみとなり、SSも生産中止。高出力、高性能化にハッキリ背を向けた軽の路線転換によるものであった。

画像: ロングノーズ&カムテールのボディスタイル。ドライバーの着座位置はスポーツカーのように後輪近くになる。

ロングノーズ&カムテールのボディスタイル。ドライバーの着座位置はスポーツカーのように後輪近くになる。

昭和の名車のバックナンバー

フェローMAX SS 主要諸元

●全長×全幅×全高:2995×1295×1295mm
●ホイールベース:2090mm
●重量:465kg
●エンジン型式・種類:ZM5型・直2 2サイクル
●排気量:356cc
●最高出力:40ps/7200rpm
●最大トルク:4.1kgm/6500rpm
●トランスミッション:4速MT
●タイヤサイズ:5.20-10-4PR(135SR10)
●価格:39万8000円(ラジアルタイヤ装着車は40万8000円)

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