ブランドの枠を超えてワールドワイドで益々活況を呈するSUVマーケット。この連載企画では、国産・輸入車を問わずSUVの「今」を感じられるモデルを順次紹介していく。今回紹介するのは「ホンダ ヴェゼル」だ。

ターボモデル追加でラインアップ充実

ヴェゼルは「多面的価値を高次元で融合した新しいジャンルのクルマ」と銘打ち、2013年に華々しくデビューした。北米、欧州ではHR-Vと名乗るヴェゼルはホンダの世界戦略車でもあり、過去5年間で累計260万台を売る実力を示した。2016年には足回りやCVTの制御をスポーツ寄りにリセッティングしたRSを追加して、走りのホンダらしさをアピールしている。

ヴェゼルに待望のターボモデル「TOURING・Honda SENSING」が追加されたのは、発売から6年が経過した2019年。搭載エンジンは、電動ウェイストゲート付きターボチャージャーやシリンダーヘッド一体型の水冷エキマニといった技術を採用した直噴1.5L VTECターボのL15B型で、ヴェゼルとして初採用となる吸排気デュアルVTCを備えるのが特徴だ。

172ps/220NmのアウトプットはNAより最高出力が+41ps、最大トルクは+65Nmのアドバンテージになる。車重はNAのRSより150kg重いものの、1700~5500rpmで維持されるフレキシブルなトルク特性により、重量のハンディを感じさせないトルク感のある伸びやかな加速と優れた燃費性能が約束される。

駆動はFFのみ。トランスミッションはCVTのみだが、シフトパドルで7速AT風の使い方ができるなど、操る楽しさをしっかり作りこんでいるのはホンダならではと言えそうだ。

画像: ツーリングの駆動はFFのみ。

ツーリングの駆動はFFのみ。

ハンドリング性能と乗り心地を両立

運動性能を高める技術ももちろん投入されていて、ツーリングはボディ剛性の強化、車体のたわみを抑える専用仕様のパフォーマンスダンパー装着に加え、ヴェゼルでは初となる四輪のブレーキを独立制御してコーナリング性能を高めるアジャイルハンドリングアシストを標準装備。

ステアリングギアに可変ギアレシオのVGRを採用してクルマと一体感のあるリニアな操舵応答性を実現している。さらに状況に合わせて特性が変化する振幅感応型ダンパーを前後に装備してしなやかな乗り味を得るなど、ハンドリングと快適性の両立に力を注いだのがよくわかる。

ツーリングのボディサイズは全長4340×全幅1790×全幅1605mm。3代目フィットがベースとは思えない体躯だが、それでも近年巨大化が進むSUVにあっては扱いやすいサイズ感に収まっている。

外装はブラックヘッドライトエクステンション、グレーのアルミホイール、左右2本出しのエキパイフィニッシャーなど、細部までこだわりぬいたアイテムがツーリングの証だ。内装はなめらかな質感のウルトラスエードで仕立てたシートをはじめ、キャビンを上質な専用ブラウンでコーディネートして上質な室内空間に仕上げている。ラゲッジ容量は5名乗車時で393Lだが、数字以上の使い勝手のよさを見せるセンタータンクレイアウトの魅力はいまだ健在だ。

スポーツカー的なRSに対し、ターボエンジンを得て走りの余裕を増したツーリングはGTの風格を備えたモデルだ。4WDが用意されないのも、FFの軽快なハンドリングを重視した結果といえる。使いやすいサイズ、いかようにもアレンジできるラゲッジなど、毎日使うクルマとしての資質はきわめて高い。

画像: ツーリング搭載の1.5L直4DOHCターボエンジン(最高出力172ps/最大トルク220Nm)。

ツーリング搭載の1.5L直4DOHCターボエンジン(最高出力172ps/最大トルク220Nm)。

■ホンダ ヴェゼル ツーリング ホンダ センシング 主要諸元

●全長×全幅×全高=4340×1790×1605mm
●ホイールベース=2610mm
●車両重量=1360kg
●エンジン=直4DOHCターボ
●排気量=1496cc
●最高出力=172ps/5500rpm
●最大トルク=220Nm/1700-5500rpm
●駆動方式=FF
●トランスミッション=CVT(7速)
●車両価格(税込)=290万3040円

This article is a sponsored article by
''.