センスの良さを感じさせる小技の効いた外観のリフレッシュとともに 走りの方は大幅にブラッシュアップ。300psオーバーの強心臓はダテじゃない。(Motor Magazine 2019年10月号より)

パワーは先代比で75psアップ

「ドアミラーのキャップの形がやや楕円形になった」「グリルが一体化された」「デイタイムランニングライトがまん丸に光るようになった」そしてなにより「リアコンビランプがユニオンジャックになった!」。

毎度のごとく、まるで間違い探しのようなMINIのモデルチェンジ。あまり興味のない方には、リアコンビランプの違いくらいしか、ピンとこないかもしれない。しかし、この横長スペースにユニオンジャックを盛り込む手法、優れたセンスがなければ到底できるものではない。難しいとされるヒット作の後のヒット作を、確実に成功させてきたMINIならではの実力が、こういう細かい進化にしっかり表れているのだ。

さて今回の国際試乗会が開催されたのは、ドイツフランクフルト近郊。試乗車はジョンクーパーワークス(JCW)モデルのみのラインナップだった。つまり、搭載されるのは2L直4ターボエンジン(306ps/450Nm)というモンスター級エンジン。先代比プラス75psと、ターボ仕様の軽自動車を軽く上回る数値分が上乗せされたということで一瞬「、オーバースペック」という言葉が頭を過った。

けれど実はこれ、BMW1シリーズのM140iやX2M35iとほぼ同じ仕様のエンジンということで、ひと安心。プラットフォームが共通なので、エンジンとシャシの相性の良さは、すでに実証済みなのだ。

画像: エンジンとシャシの相性の良さを感じさせる安定した走り。

エンジンとシャシの相性の良さを感じさせる安定した走り。

MINI史上初のメカニカルLSD採用で直進性も向上

組み合わされるトランスミッションは、アイシンAW製の8速ATで、駆動方式は、多板クラッチがついたオンデマンド式電子制御カップリングタイプのALL4。フロントタイヤが滑るのを感知したら、リアタイヤに駆動力がリニアに配分される。

走りに関するニュースと言えば、 MINI初のメカニカルLSDの採用に注目すべきだろう。有り余るパワーを意のままに操るために、従来の電子制御式LSDとともに、フロントにトルセン式LSDが投入された。これはとくにタイトコーナーで威力を発揮、前へ前へとより積極的に攻めることができる。

FF車にLSDを装着すると直進安定性も向上する効果が期待できるが、同クラスのライバルと比べて比較的長いホイールベースとあいまって、アウトバーンの速度無制限区域でのオーバー200km/hクルージングも不安は皆無。抜群の安定感に驚かされた。 

パワースペックだけ見れば、さぞかしジャジャ馬……だと思っていたのに、実際はとても躾の行き届いた駿馬に仕上がっていたという具合。ちなみに、3ドアの2人乗り仕様で「走りを堪能する」ためだけに全身をエアロパーツで武装した「GP」が登場するまでは、このJCWが最強のMINIだ。クラブマンベースなので、もちろんファミリーカーとしても十分に満足できる使い勝手も持つ。

JCWにはスポーツサスペンションが奢られており、ノーマルタイプよりも最低地上高は低い。だが、初代のJCWやクーパーSよりよっぽどしなやかな乗り心地を、楽しませてくれた。あえてバリアブルステアリングは採用しないというMINIの、自然なハンドリングにもマッチするその優れたしなやかさは、とても好印象だ。

たとえばパッチワーク路面とか石畳路面のような、小さな凸凹に対するいなし感は絶妙だ。うねり路面の連続ではさすがに若干苦手な様子が伺えたけれど、オプションのアダプティブダンパーを投入すると、かなり良好になるという。

日本市場には、ランフラットではない、開発陣イチオシの18インチタイヤを履いて登場するというから、安心して待っていて欲しい。(文:竹岡 圭)

画像: ハイスペックであるだけでなく、官能的なエキゾーストサウンドにもこだわった新しいスポーツ排気システムを採用。

ハイスペックであるだけでなく、官能的なエキゾーストサウンドにもこだわった新しいスポーツ排気システムを採用。

■MINI JCW クラブマン オール4 主要諸元

●全長×全幅×全高=4266×1800×1441mm
●ホイールベース=2670mm
●車両重量=1625kg
●エンジン= 直4DOHCターボ
●排気量=1998cc
●最高出力=306ps/5000-6250rpm
●最大トルク=450Nm/1750-4500rpm
●駆動方式=4WD
●トランスミッション=8速AT

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