昭和は遠くなりにけり…だが、昭和生まれの国産スポーティカーは、日本だけでなく世界的にもブームとなっている。そんな昭和の名車たちを時系列で紹介していこう。今回は昭和57年発売の三菱 コルディアだ。

三菱ターボ戦線の中核としてデビュー

三菱 コルディア 1600GSR-Sターボ:昭和57年(1982年)2月発売

画像: 当時のカローラやサニーよりひとまわり大きかった。テスト値で、最高速度は173.08km/h、0→400m加速は17.08秒を記録している。

当時のカローラやサニーよりひとまわり大きかった。テスト値で、最高速度は173.08km/h、0→400m加速は17.08秒を記録している。

ミラージュランサーの間を埋める車種として開発されたコルディアは、昭和56年(1981年)秋の東京モーターショーに参考出品され、翌1982年2月に兄弟車でセダンのトレディアとともに市販されたFFモデルだ。

全長は4275mmと、当時のカローラやサニーよりひとまわり大きい3ドアHB(ハッチバック)スタイルで、ターボモデルのボンネットには専用のエアスクープが誇らしげに装着されていた。

画像: 兄弟会社の三菱重工と連携しながらターボを開発。G32Bエンジンはキャブ仕様で、115psを発生した。

兄弟会社の三菱重工と連携しながらターボを開発。G32Bエンジンはキャブ仕様で、115psを発生した。

搭載エンジンは1.6Lと1.8LのNA(自然給気)、1.6Lターボの3種を用意。ターボモデルはGT、GSR、GSR-Sの3グレードが設定された。当時のカタログによれば、“純血ターボ”を謳い文句にしており、兄弟会社の三菱重工との連携プレーにより、自社エンジンとジャストフィットするターボを開発していた。

このターボエンジンはキャブレター仕様で、最高出力は115ps/5500rpm、最大トルクは17.0kgm/3000rpmというパワースペック。ターボ車のミッションは弟分のミラージュ同様、スーパーシフトと呼ばれる副変速機付きの4速MTだった。モーターマガジン誌のテストでは、最高速度は173.08km/h、0→400m加速は17.08秒という実測データを記録している。

画像: 3タイプあったターボバージョンの中で、GSR-Sは最上級モデル。インパネは当時流行のデジタル式を採用した。

3タイプあったターボバージョンの中で、GSR-Sは最上級モデル。インパネは当時流行のデジタル式を採用した。

その後、1.6Lターボは1983年7月に1.8Lターボに変更され、最高出力は135psへアップした。さらに翌1984年10月のマイナーチェンジ時には4WDターボも追加された。ただし、この4WDはセンターデフを持たないパートタイム式であった。それでも、当時はまだ4WDはオフロード車というイメージが強かったが、スポーティ車に4WDを採用したのは目新しかった。

1985年には車種整理が行われ、この時点でバリエーションは1.8Lターボの4WDモデルのみに縮小され、その後は販売不振のままトレディアとともにコルディアの名も消滅してしまった。

画像: 1984年10月のマイナーチェンジで、1.8Lターボと4WDが組み合わされた。

1984年10月のマイナーチェンジで、1.8Lターボと4WDが組み合わされた。

三菱 コルディアXP GSR-Sターボ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4275×1660×1320mm
●ホイールベース:2445mm
●重量:960kg
●エンジン型式・種類:G32B型・直4 SOHCターボ
●排気量:1597cc
●最高出力:115ps/5500rpm
●最大トルク:17.0kgm/3500rpm
●トランスミッション:4速MT×2(副変速機付き)
●タイヤサイズ:185/70SR13
●価格:159万8000円

昭和の名車のバックナンバー

This article is a sponsored article by
''.