2020年からの新レギュレーションに沿ってマシンを開発
スーパーGTシリーズは、日本で最も人気のあるレースのひとつだ。市販車をベースにしたレーシングカーによる耐久レースで、日本各地のサーキットを転戦するシリーズ戦で争われる。ベース車両のスペックなどにより、GT500とGT300の2クラスで競われているが、中でもトップカテゴリーのGT500は、トヨタ(レクサス LC)、日産(GT-R)、そしてホンダ(NSX)という3メーカーのワークス車両のみが参戦して鎬を削り合っている。
現在、ドイツのツーリングカーレースであるDTMとモノコックシャシなど車両規定の一部を統一している。さらに2020年から共通の新しい技術規則「クラス1」規則に統合され、アップライト(アーム、ブレーキカバー、ブレーキダクトなどを含む足回りの部分)の共通化、フロアを含んだデザインライン下(アンダーボディ)のエアロパーツの共通化、エンジン燃焼室の外部点火禁止などが決められている。
この規則に合わせて、各メーカーは2020年用のマシンを開発中だ。まず、日産とNISMO(ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル)は2020年仕様のマシン「NISSAN GT-R NISMO GT500」を初公開した。ベース車両は、もちろんGT-R NISMO。ただし搭載されるエンジンはGT500規定に則った2Lの直4ターボで、駆動方式もFRとなっている。
2019年のモデルとは、パッと見には大きくは変わっていないように見えるが、ダクトなど細かい部分が改良されているようだ。エンジンやアンダーボディなど、見えない部分は変更されていることは間違いない。
日産とNISMOは、9月12日から鈴鹿サーキットで走行テストを開始し、さらなる開発を進めていく。ライバルであるホンダはNSXのニューマシンを、そしてトヨタはレクサス LCからスープラへとスイッチしたマシンを同時に発表。
スーパーGTの2019シーズンはまだ2戦残っており、熾烈なチャンピオン争いが繰り広げられているが、早くも2020シーズンが気になってしまうモータースポーツ ファンも多いのではないだろうか。