「行きたいときに、行きたいところに行って、必ず帰って来られる」クルマ
トヨタが重要視するクルマの性能「QDR」を知っているだろうか。「世のため、人のため」という同社のクルマづくりの原点を支えるもので、品質(Quality)と耐久性(Durability)、信頼性(Reliability)の頭文字をとったものだ。
クルマに求められる性能はプレミアムセダンからコンパクトカーまで、車種ごとに静粛性や燃費などの目標値は異なるものの、トヨタ車はこのQDRを重視した開発がなされている。なかでも70年近い歴史を持つランドクルーザーは、QDRの象徴であると同時にクルマづくりの原点でもあるのだという。
ランドクルーザーの元となったトヨタジープBJ型は、1951年に警察予備隊(現在の陸上自衛隊)向けに開発されたヘビーデューティ車両で、1953年からは民生用モデルとして量産されている。その後2代目(1955年・20系)、3代目(1960年・40系)と代を重ね現在の200系/70系に至るまで、「信頼性、耐久性、悪路走破性」を高めてユーザーのニーズに応えるという開発思想を一貫して持っている。
それにより活躍の場は幅広く、山岳地帯で人命救助に向かう救急車として、アフリカの難民キャンプでは診療所に患者を運ぶ人道支援車両として、地下1600mを行く鉱山移動車として、はたまた牧場では牛の追い込み車両としても働いている。その多くの場面で「ランドクルーザーでなければたどり着けない」と信頼を寄せる声が聞かれるという。
こうしたクルマづくりがグローバル市場で圧倒的な支持を受け、現在では約170の国と地域で販売されて年間で約40万台も売り上げている。そして誕生から68年が経過した2019年8月末に累計販売台数1000万台を突破したのだ。
トヨタはランドクルーザーの今後について、「世界中のあらゆる道で使われることを想定し、最も厳しい基準を自らに課し、唯一無二の存在を目指したクルマづくりを続けてまいります」とコメントしている。
また、今回の記録達成を記念して専用サイトをオープンさせた。歴代ランドクルーザーの系統図や車両の詳細を見られるだけでなく、公式画像もダウンロードできるようになっている。