東京モーターショーで大々的にお披露目されたホンダフィット、 2月の発売開始に先立った試乗会の模様をお届けする。(Motor Magazine 2020年2月号より)

クロスオーバーSUVモデルもラインアップ

先行試乗会が行われたのは、北海道旭川にあるホンダの鷹栖プルービンググラウンド。発売開始前とあって、スペックは非公開だったことをまずお伝えしておこう。しかしスタイリングは明らかなわけで、そのあたりの印象から、まずご紹介したい。

ひと目見るなり、従来とは異なり欧州車テイストに溢れていることがわかる。とは言え全体的なプロポーションはいかにもフィット。外観からだけでもキャビンのスペース効率が良さそうなイメージを受ける。

これまでとひと味違うと思わせるポイントは、フロント部分だ。グリルまわりが何やらフランス車風だ。またAピラーが細く、そこからフロントドアにかけてのグラスエリアが広い。これは前方視界の良さに貢献するとともに、スタイリングの上でもいいアクセントになっている。

さらに個性をアピールしていたのが、クロスオーバー SUV風のモデルだ。これは「CROSSTAR(クロスター)」と名付けられたもので全高を30mm上げてホイールアーチをオーバーフェンダー風にブラックアウト。そしてルーフレール(オプション)を装着、そのルーフ部もブラックに仕立てられている。

いまやコンパクトカーでもこの種のクロスオーバー SUVは大はやりで、クロスターはスタイリング全体のまとまりもいいので、ニューフィットの販売で大いに貢献することは間違いない。

画像: 2001年に登場したフィットの国内累計販売台数は268万台に達する。4世代目にかかる期待は当然のこと大きい。

2001年に登場したフィットの国内累計販売台数は268万台に達する。4世代目にかかる期待は当然のこと大きい。

さて、まずは「NESS」というグレードの1.3Lガソリンエンジン搭載車に試乗。グレード展開は「BASIC、HOME、NESS、LUXE、CROSSTAR」の5つで、NESSは中間グレードということになる。

インパネまわりのデザインは外観と同様になかなか洒落ている。かと言って造形に無駄がなく、機能的で好感が持てる。従来のフィットに限らずホンダ車のインパネデザインは、色使いも含めてちょっと 「子供っぽい」印象を受けることも多かったが、これは違う。実にセンスが良い。そして、Aピラーを細くした効果は明らかで、前方視界は抜群に良く、安心して運転ができる。

そしてテストコースを走り出すと、まず静かさに驚く。100km/hまでは、コンパクトカーとは思えないほどの静粛性だ。オーバルコースのコーナーに差しかかると、ハンドルの舵角へ忠実にクルマが向きを変える。ふらつきなどは一切なく、非常に安心できる手応えとともに、しっかりしたコーナリングを味わえる。ボディ剛性が高く、サスペンションがいい仕事をしているという印象。トータルな走行性能としてこれで必要にして十分以上で大満足だ。

この後に、2モーターのハイブリッド車に乗った。これは低中速域はモーターのみで走るタイプだが、1.3Lガソリン車よりパワフルではあるが、全体的なバランスとしてはハイブリッド車よりガソリン車が好みというのが正直なところ。このあたりは、スペックと車両価格が発表されたときに改めて吟味してみたいと思った。(文:荒川雅之)

画像: 前方視界は非常に良く、またインパネまわりのデザインは機能的でありながら、センス良く仕上がっている。

前方視界は非常に良く、またインパネまわりのデザインは機能的でありながら、センス良く仕上がっている。

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