2005年10月11日、4年ぶりにフルモデルチェンジされたメルセデス・ベンツMクラスが日本に導入されている。初代MクラスはSUVの草分け的な存在としてアメリカを中心に高い人気を得てきたが、2代目となるW164型はどのように進化して登場したのか、その紹介記事から探ってみよう。(以下の記事は、Motor Magazine 2005年12月号より)

オフロードでのタフネスがオンロードでの余裕を生む

Mクラスとして2代目となるW164型は、並みいるライバルたちと一線を画すべく大幅にグレードアップしてのデビューとなった。

まずエクステリアは、このところのメルセデスの流れを感じさせる大胆なフロントデザインが注目だ。このラインはウエッジを強調させたサイドへと繋がり、前後のオーバーフェンダー的な力強さと融合する。ボディサイズは全長で145mm、全幅で75mm拡大され、さらにホイールベースは95mm延長されている。このサイズアップは室内に余裕を生み出し、高剛性のモノコックボディの採用と相まって走行性向上にも大きく寄与している。

インテリアは大きくチェンジしている。ダッシュボードをはじめ随所にクロームやアルミのパネルを配してメカっぽい雰囲気を演出。さらにATにはダイレクトセレクトを採用。セレクターレバーはフロアからステアリングコラム右に移動し、ステアリングのスポーク裏のプッシュ式スイッチでアップ&ダウンも可能にしている。

また、後席はダブルフォールディングと2:1の分割可倒を採用し、ラゲッジスペースでも多彩なアレンジを演出している。容積的にも551L〜1830Lとたっぷりだ。

エンジンはML350には最新テクノロジーを駆使した新開発3.5LのV6エンジンを、またML500にはパワフルさで定評ある5LのV8を搭載する。ともに7速ATである7Gトロニックを組み合わせて、よりスポーティな走りを引き出している。サスペンションはフロントにダブルウイッシュボーンを、リアには新たに4リンクを採用し、オン&オフの両ロードでの優れた走行性と快適性を実現する。

肝心なオフロードでの性能に関しては、フルタイム4WDのさらなる充実を図っている。滑りやすい路面での走行安定性を高める4ESP(エレクトロニック・スタビリティ・プログラム)を標準装備。また、悪路での走行をサポートするオフロードスイッチ、急勾配での下りに対処するDSR(ダウンヒル・スピード・レギュレーション)を備え、オフロードでの走行性能を向上。さらにヒルスタートアシストも加わり、急勾配での坂道発進を容易にしている。

なお、ML500にはオプションとして、悪路でも快適な乗り心地を提供するエアマティックサスペンションと、走破性を一層高める電子制御デファレンシャルロック、ローレンジモードセレクター、マニュアルモードセレクターを装備したオフロードパッケージを設定(他にもパッケージオプションを用意)。本格オフロードでも、高速のオンロードでも余裕を持って対応する新型Mクラスには、メルセデスが提案する新たなSUVの姿がある。(文:河原良雄/Motor Magazine 2005年12月号より)

画像: 初代のデザインから大きく進化。当時のメルセデスの流れを感じさせるスタイリングで登場した2代目W164型メルセデス・ベンツMクラス。

初代のデザインから大きく進化。当時のメルセデスの流れを感じさせるスタイリングで登場した2代目W164型メルセデス・ベンツMクラス。

画像: マルチファンクションコントローラーを備える他、パッケージオプションで様々な装備を組み合わせることが可能。

マルチファンクションコントローラーを備える他、パッケージオプションで様々な装備を組み合わせることが可能。

ヒットの法則

メルセデス・ベンツML350(2005年)主要諸元

●全長×全幅×全高:4790×1910×1815mm
●ホイールベース:2915mm
●車両重量:2120g
●エンジン:V6DOHC
●排気量:3497cc
●最高出力:272ps/6000rpm
●最大トルク:350m/2400-5000rpm
●トランスミッション:7速AT
●駆動方式:4WD
●車両価格:693万円

メルセデス・ベンツML500(2005年)主要諸元

●全長×全幅×全高:4790×1910×1815mm
●ホイールベース:2915mm
●車両重量:2170g
●エンジン:V8SOHC
●排気量:4965cc
●最高出力:306ps/5600rpm
●最大トルク:460m/2700-4250rpm
●トランスミッション:7速AT
●駆動方式:4WD
●車両価格:945万円

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