1998年にフルモデルチェンジを実施した、2代目NBロードスターの特別・限定モデルなどを紹介するこの企画の第9弾は、2004年2月に限定350台で発売された「ロードスター ターボ」だ。

2代目の集大成ともいえる限定車が「ロードスター ターボ」

画像: ビルシュタイン社製ダンパーと専用チェーンを施したローダウンサスペンションを装着。

ビルシュタイン社製ダンパーと専用チェーンを施したローダウンサスペンションを装着。

「自然吸気エンジンこそ、ロードスターの神髄にふさわしい」というファンが多い中、2004年2月、ついにロードスターのターボモデルが登場した。これを造ったのは2代目ロードスターを開発した貴島孝雄氏で、紛れもなくマツダ純正の「ロードスター ターボ」だった。当時も今もロードスターはグローバルで支持されるライトウエイトスポーツカーという立場は変わらない。しかし、当時の海外ユーザーからは「もっとパワーとトルクが欲しい」という声が強かったのも事実だった。このような要求に応えるかたちで登場したのが「ロードスター ターボ」だ。

ベース車両は「1800 RS」で、1.8LのBP-ZE型エンジン(145ps/6500rpm、16.6kgm/5500rpm)をベースに、圧縮比を9.5に落とし、低過給のインタークーラー付きターボを組み合わせたことで、最高出力172ps/6000rpm、最大トルク 21.3㎏m/5500rpmを発生した。また、パワフルになったことでクラッチ、トランスミッション、ドライブシャフト、プロペラシャフトなども強化された。

実際にロードスター ターボを走らせてみると低中速トルクに富み、実用回転域のレスポンスも実にシャープで元気なチューニングが施されていた。そしてなにより、ロードスターの爽快さを損なわない特性は、さすがメーカーチューンといえた。

限定350台ながらベースモデルのわずか22万円高

画像: ターボ標準インテリアは黒/赤のコンビネーションだったが、多様化するニーズに応えるため4種類のインテリアを設定した。

ターボ標準インテリアは黒/赤のコンビネーションだったが、多様化するニーズに応えるため4種類のインテリアを設定した。

パワフルなターボエンジンに合わせて足回りも強化された。ノーマルと比べ、前後スタビライザーは1㎜径が太くなり、さらにビルシュタイン製ダンパーと専用ローダウンスプリングの装着でロール特性やトラクション性能を適正化した。また17インチタイヤを装着したことで路面追従性も向上し、軽快なハンドリングを実現した。

エクステリアは、新デザインのフロント、リア、リアアンダースポイラー、スモークドヘッドランプベゼルなどの専用オーナメントを採用した。ボディカラーは、ターボ専用色「ベロシティレッドマイカ」の他に、ピュアホワイト、サンライトシルバーメタリック、グレースグリーンマイカの4色を設定した。

インテリアではシルバーメーターパネルをはじめ、アルミペダルセットや「ロードスター」のロゴ入りルームミラーカバーなどのターボ専用アイテムなどの専用品を数多く装着し、4種類のインテリアパッケージも設定した。

ロードスター初のターボモデルというだけでも注目度は高かったが、限定350台という少量生産にもかかわらず、ベースモデルのRS(235万円)から、わずか22万円高の257万円という価格設定にも驚かされた。また、ロードスター ターボは店頭販売の他に、当時としては画期的なインターネット販売も行った。2代目ロードスターの限定モデルは、このターボモデルで幕を閉じた。

車両価格(当時・税別)

ロードスター ターボ:257.0万円(6速MT)

ベース車両

1800RS(6速MT)

ロードスター クーペ装備リスト

インタークーラー付きターボエンジン(レッド塗装)
カラードストラットタワーバー
専用マフラー
強化エンジンマウントラバー
強化クラッチ
強化トランスミッション
コアサイズアップラジエータ
強化ドライブシャフト
強化プロペラシャフト
トルセンLSD
強化デフ
強化デフマウント
専用ローダウンサス(ビルシュタイン社製ダンパー付き)
205/40R17タイヤ
専用エアロ
専用インテリア

マツダ ロードスター ターボ 主要諸元

●全長×全幅×全高:3965×1680×1235mm
●ホイールベース:2265mm
●車両重量:1120kg
●エンジン種類:直4 DOHCインタークーラー付きターボ
●排気量:1839cc
●圧縮比:9.5
●最高出力:172ps/6000rpm
●最大トルク:21.3kgm/5500rpm
●トランスミッション:6速MT
●タイヤサイズ:205/40R17

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