3代目ロードスターの特別・限定・追加モデルなどを紹介するこの企画の第7弾は、2011年10月に発売された特別仕様車の「BLACK TUNED(ブラックチューンド)」だ。

専用色「スピリティッドグリーンメタリック」を初採用

初代ロードスターから毎年、特別・限定仕様車を発表してきたマツダは、2009年7月に発売した特別仕様車「20周年記念車」を最後に、翌年の2010年は一度もロードスターの特別・限定仕様車を発表しなかった。この2010年という年は、日本経済が後退局面に入り、生産水準が低下。さらに1ドル100円を切る過度の円高に直面していた影響などもあり、マツダにとっても厳しい年だった。しかし、そんな不況を乗り越え、2011年10月、マツダはついにロードスターの特別仕様車「BLACK TUNED」を発表した。

2009年7月に発売した特別仕様車から2年以上も経過して登場した特別仕様車「BLACK TUNED」は、鮮やかなグリーンメタリックのボディカラーに包まれていた。意外だったのはベースモデルがソフトトップではなく、電動開閉式ルーフモデル(RHT)のみだったことだ。さらに上級グレードの「RS(260万円)」と「VS(295万円)」をベースにしたことで、車両価格は300万円オーバーの305万円(6速MT/6速AT)と、当時の日本経済を考えればかなり挑戦的なプライスだった。

車名「BLACK TUNED」の由来は、内外装パーツにブラック系のダークカラーを採用したことにある。注目は電動開閉式ルーフのパワーリトラクタブルハードトップ部分のみが「ブリリアントブラック」でペイントしたことで、ボディカラーがツートーンカラーになっていることだ。その他では、フロントグリルガーニッシュ、シートバックバーガーニッシュ、アウタードアミラーなどもブラックで統一されている。

インテリアでは、サンドカラーステッチを施したブラックレザーシートをはじめ、ブラックドアトリム、ピアノブラックデコレーションパネルなどを特別装備した。

存在感のあるグリーンメタリックのボディカラーは、専用色の「スピリティッドグリーンメタリック」。その他の専用色として「ベロシティレッドマイカ」、そして人気カラーの「クリスタルホワイトパールマイカ」を含めた全3色を設定。

初代・2代目ロードスターの特別・限定仕様車にもグリーン系の特別色を設定していたが、「スピリティッドグリーンメタリック」のような鮮やかなグリーンメタリックを採用したのは、「BLACK TUNED」が初めてだった。これまでロードスターのグリーンといえばジェントルな「ブリティッシュグリーン」のイメージが強かったが、スピリティッドグリーンメタリックを採用した「BLACK TUNED」は、あきらかにヤング受けしそうなスポーティな雰囲気に仕上がっていた。

BLACK TUNED 車両価格

305万円(6速MT/6速AT)

ベース車

RS RHT:6速MT
VS RHT:6速AT

特別装備

パワーリトラクタブルハードトップ(ブリリアントブラック)
17インチアルミホイール(ガンメタリック塗装)
フロントグリルガーニッシュ(ブリリアントブラック)
アウタードアミラー(ブリリアントブラック)
シートバックバーガーニッシュ(ブリリアントブラック)
ブラックレザーシート(サンドカラーステッチ)
ブラックドアトリム(サンドカラーステッチ)
デコレーションパネル(ピアノブラック)
ステアリング本革巻(サンドカラーステッチ)+スイッチベゼル(ピアノブラック)
パーキングブレーキレバー本革巻(サンドカラーステッチ)
フロントフォグランプ(クリア)+フォグランプベゼル(ブラック)
アウタードアハンドル(ボディ同色)
BOSEサウンドシステム+7スピーカー
シフトノブ本革巻(メッキリング付)
サイドドアトリムアームレストソフトパッド
センターコンソールリッドソフトパッド
シートヒーター(温度5段調整機能付)
フロントサスタワーバー(カウル結合タイプ)

ボディカラー

スピリティッドグリーンメタリック(専用色)
ベロシティレッドマイカ(専用色)
クリスタルホワイトパールマイカ(オプション:3万1500円)

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