クルマ好きなら一度は憧れたことがあるだろうスーパーカー。その黎明期から現代までをたどる連載企画。第88回は「マクラーレン 650S」だ。

マクラーレン 650S(2014-2018年)

画像: フルLEDのヘッドランプをはじめ、フロントマスクはフラッグシップのP1と似た表情になった。タイヤは専用開発のピレリPゼロ コルサ。

フルLEDのヘッドランプをはじめ、フロントマスクはフラッグシップのP1と似た表情になった。タイヤは専用開発のピレリPゼロ コルサ。

マクラーレン オートモーティブは、2014年のジュネーブ モーターショーで新型スーパースポーツのクーペとオープンモデルを同時にワールドプレミアさせた。それが、今回紹介する「650S」と「650スパイダー」だ。車名の「650」は最高出力を表し、「S」はスポーツを意味するという。

マクラーレン車のラインアップにおいては、当時のフラッグシップであったハイパーPHVのP1の下に位置し、また当時すでに完売していたMP4-12Cの後継モデルにあたる。とはいえ、当然ながらパフォーマンスはMP4-12Cより向上されている。

P1やMP4-12C同様、カーボンファイバー製のモノセルと呼ばれるシャシに与えられたボディデザインは、P1の流れを汲むもので、ひと目でマクラーレン車とわかるものだ。フロントのオーバーハングはMP4-12Cより少し長い。ドアはマクラーレン F1からの伝統であるディヘドラルドアを採用。スパイダーは、MP4-12C スパイダーと同様の電動開閉式リトラクタブル ハードトップを採用し、オープン時でもリアセクションが残ってタルガトップ風になる。

画像: インパネまわりのデザインもMP4-12Cのものを踏襲している。日本仕様の650Sには右ハンドルも設定されていた。

インパネまわりのデザインもMP4-12Cのものを踏襲している。日本仕様の650Sには右ハンドルも設定されていた。

ミッドシップ搭載されるパワーユニットは、P1やMP4-12Cのものと基本的に同じV8 DOHCツインターボだ。3799ccという排気量は変わらないが、最高出力は車名のとおり650ps、最大トルクは678Nmと、MP4-12Cよりも25psと78Nmものパワーアップを果たしている。これに7速DCTのミッションを組み合わせ、後輪のみを駆動するのはMP4-12Cから変わらない。

クーペの公称パフォーマンスは、最高速度が333km/h(スパイダーは329km/h)、0→100km/h加速は3.0秒(スパイダーも同じ)、0→200km/h加速は8.4秒(スパイダーは8.6秒)。ちなみに、スパイダーはクーペより40kg重い。それでも、いずれもEU複合サイクルで約8.5km/Lという、V8ツインターボとしてはなかなかの好燃費を達成している。

マクラーレンが独自開発したPCC(プロアクティブ シャシ コントロール)サスペンションはリファインされ、そのセッティングやドライビングモードは3つのモードから選択でき、カーボンセラミックブレーキやエアブレーキにもなる可変式リアスポイラーも装着している。

インテリアはMP4-12Cのデザインを踏襲しながら、電動ステアリングコラムやリアパーキングカメラ、ブルートゥース対応のカーナビといった快適装備も充実させている。

画像: 日本でもクーペとスパイダーは同時に発売。デビュー時の車両価格(税込)は、右のクーペが3160万円、左のスパイダーが3400万円であった。

日本でもクーペとスパイダーは同時に発売。デビュー時の車両価格(税込)は、右のクーペが3160万円、左のスパイダーが3400万円であった。

マクラーレン 650S スパイダー 主要諸元

●全長×全幅×全高:4512×2093×1203mm
●ホイールベース:2670mm
●車両重量:1370kg
●エンジン種類:90度V8 DOHCツインターボ
●排気量:3799cc
●最高出力:650ps/7250rpm
●最大トルク:678Nm/6000rpm
●燃料タンク容量:72L
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●トランスミッション:7速DCT
●タイヤサイズ:前255/35R19、後305/30R20
●当時の価格:3400万円

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