クルマ好きなら一度は憧れたことがあるだろうスーパーカー。その黎明期から現代までをたどる連載企画。第89回は「ランボルギーニ ウラカン」だ。

ランボルギーニ ウラカン(2013-2019年)

画像: 「日常使いできるスーパーカー」というガヤルドのコンセプトは、このウラカンにも引き継がれている。ヘッドランプはアヴェンタドールよりも横長。

「日常使いできるスーパーカー」というガヤルドのコンセプトは、このウラカンにも引き継がれている。ヘッドランプはアヴェンタドールよりも横長。

2003年に登場して以来、1万4022台も生産されて「史上もっとも成功を収めたランボルギーニ車」と呼ばれたガヤルドは、10年間でランボルギーニのブランドイメージをさらに引き上げることに成功した。その後継として2013年末に満を持して登場したのが、ここで紹介する「ウラカン」だ。

ウラカン(Huracan)とはスペイン語でハリケーンのことだが、ランボルギーニ車のネーミング流儀にしたがって、スペインのコンテ・デ・ラ・パティーリャ種で、勇ましさと力強い高撃力で知られた闘牛の名前に由来している。

ボディデザインは、アヴェンタドールなどを手がけたフィリッポ・ペリーニ。ガヤルドが当時のフラッグシップであったムルシエラゴの弟分的なスタイルだったように、ウラカンもアヴェンタドールの弟分的な、そのDNAを引き継いだスタイルを踏襲している。ガヤルドとも雰囲気は似ているが、全長は約160mm長く、幅も20mmほど広くなり、少しグラマラスな印象になった。アヴェンタドール同様に六角形をデザインのモチーフで各所に用いている。

カーボンファイバーとアルミニウム素材を統合した新しいハイブリッド シャシにより、デビュー時のLP610-4 クーペの車重は1422kgにおさえられていた。ミッドシップ搭載されるV型10気筒のDOHCエンジンはガヤルドと同じ5204ccの排気量だが、最高出力は610ps、最大トルクは560Nmというパワースペックに引き上げられていた。ミッションは7速DCTが組み合わされ、フルタイムで4輪を駆動する。

画像: インテリアにも六角形のモチーフが目立つ。メーターパネルは全面液晶モニター。7速DCTはステアリング奥のパドルで変速する。

インテリアにも六角形のモチーフが目立つ。メーターパネルは全面液晶モニター。7速DCTはステアリング奥のパドルで変速する。

公称のパフォーマンスデータは、最高速度が325km/h、0→100km/h加速が3.2秒、0→200km/h加速が9.9秒とアナウンスされている。それでもアイドリングストップ機構なども採用し、EU複合サイクル燃費は8.0km/Lを達成。もちろんEU6排出ガス規制にも対応していた。

コクピットはガヤルドのものより進化し、メーターパネルは12.3インチのフルカラーTFTモニターとなった。その表示は、もちろんドライバーが自由に構成を変えることができる。インテリアには上質なナッパ レザーやアルカンターラがふんだんに用いられ、多彩なオプションで色や素材のカスタマイズが可能だった。

2016年にはフルオープンとなるスパイダーも登場。また、最高出力は580psに引き下げられているが2WD(もちろんRWD)化されて車重も軽くなり、より運動性能を楽しめるLP580-2、およびそのスパイダー版も登場するなど、ウラカンはバリエーションを広げていった。そして2017年には軽量化されてエンジンパワーもアップした「LP640-4 ペルフォルマンテ(イタリア語でパフォーマンス)」、さらには2019年にビッグマイナーチェンジでウラカン EVOへと進化するが、これに関しては改めて紹介しよう。

画像: アヴェンタドール同様、六角形がデザインのモチーフで各所に用いられている。スパイダーのスタイルもうまくまとめられている。

アヴェンタドール同様、六角形がデザインのモチーフで各所に用いられている。スパイダーのスタイルもうまくまとめられている。

ランボルギーニ ウラカン LP580-2スパイダー 主要諸元

●全長×全幅×全高:4459×1924×1180mm
●ホイールベース:2620mm
●車両重量:1180kg
●エンジン種類:90度V10 DOHC
●排気量:5204cc
●最高出力:580ps/8000rpm
●最大トルク:540Nm/6500rpm
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●トランスミッション:7速DCT
●タイヤサイズ:前245/35ZR19、後305/35ZR19
●当時の価格:2788万5924円

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