クルマ好きなら一度は憧れたことがあるだろうスーパーカー。その黎明期から現代までをたどる連載企画。第124回は「ランボルギーニ シアン」だ。

ランボルギーニ シアン FKP37(2019年-)

画像: 2019年のフランクフルト モーターショーでワールドプレミアされたシアンは、ピエヒ氏へのオマージュで車名に「FKP37」が付け加えられた。

2019年のフランクフルト モーターショーでワールドプレミアされたシアンは、ピエヒ氏へのオマージュで車名に「FKP37」が付け加えられた。

2019年のフランクフルト モーターショーで、ランボルギーニはスペシャルモデルの「シアン」をワールドプレミアさせた。シアン(Sian:aの上にアクサンが入る)とはランボルギーニ伝統の闘牛の名前ではなく、イタリア ボローニア地方の方言で「稲妻」を意味する。フランクフルトでお披露目されたとき、正式名称は「シアン FKP37」に改められた。これは、ショーの開催前に亡くなったVWグループの元総帥、フェルディナント・カール・ピエヒのイニシアルと、彼が生まれた1937年にちなんだもの。20世紀末に不振にあえいでいたランボルギーニ社をVWグループのアウディ傘下として復活させた、そんな彼をオマージュしての車名だ。

ベースはアヴェンタドールSだが、そのスタイリングは、カウンタックにインスパイアを受けながら、歴代のフラッグシップ モデルに繋がるランボルギーニの伝統を踏襲している。シャープなボディラインは、クルマというよりは宇宙船のよう。エアロダイナミクスを追求したシルエットも独特だ。Y字型のデイタイムランニングライトや六角形の6連テールランプなどは、アヴェンタドールやウラカンのデザインを汲んでいる。

シャシはカーボンファイバー製のモノコック、ボディパネルもフルカーボンファイバー。ルーフには透明度が変わるガラス製のエレクトロクロミックルーフを採用している。リアエンドには可動式のウイングを装着し、エンジンフードの後部には温度によって自動開閉するフラップも備わっている。

画像: ポルトローナ フラウ製の本革をふんだんに用いたインテリアだが、スペシャルモデルゆえ63台で同じ仕様はないという・・・。

ポルトローナ フラウ製の本革をふんだんに用いたインテリアだが、スペシャルモデルゆえ63台で同じ仕様はないという・・・。

パワーユニットはランボルギーニの市販車としては初めてハイブリッドを採用している。アヴェンタドールSと同じ6498ccのV型12気筒 DOHCのパワースペックは、最高出力が785ps、最大トルクが720Nmにアップされ、これに最高出力34psと最高出力38Nmを発生する電気モーターを組み合わせる。

モーターの駆動はバッテリーではなく、同じ重量のバッテリーに比べて3倍もの容量を持った電気二層コンデンサーのスーパーキャパシタを使用しているのも特徴だ。総合出力は819psに達する。公称の最高速度は350km/h以上、0→100km/h加速は2.8秒以下とアナウンスされている。

インテリアにはポルトローナ フラウ製の本革をふんだんに用い、また世界で初めて3Dプリンターで作られたパーツが市販車に採用されている。とはいえ、スペシャルモデルであるから、インテリアの色や素材に関してはさまざまなカスタマイズが可能だ。

気になるシアン FKP37の価格だが、360万ドル(約3億9000万円)といわれている。生産台数は、ランボルギーニ社が創業した1963年にちなんで限定63台となっているが、例によって発表時には完売していた。日本にも数台は導入されると思われるが、詳細は不明だ。また、ロードスターの追加登場も噂されている。

画像: ルーフの中央部はエレクトロクロミックルーフ。エンジンフード後部には温度によって自動開閉するフラップも備わる。

ルーフの中央部はエレクトロクロミックルーフ。エンジンフード後部には温度によって自動開閉するフラップも備わる。

ランボルギーニ シアン FKP37 主要諸元

●全長×全幅×全高:4980×2101×1133mm
●ホイールベース:2700mm
●重量:未発表
●パワーユニット種類:60度V12 DOHC+モーター
●排気量:6498cc
●エンジン最高出力:785ps/8500rpm
●エンジン最大トルク:720Nm/6750rpm
●モーター最高出力:34ps
●モーター最大トルク:38Nm
●総合出力:819ps
●トランスミッション:7速AMT
●駆動方式:縦置きミッドシップ4WD
●タイヤサイズ:前255/30ZR20、後355/25ZR21

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