クルマ好きなら一度は憧れたことがあるだろうスーパーカー。その黎明期から現代までをたどる連載企画。第130回は「アストンマーティン V12スピードスター」だ。

アストンマーティン V12スピードスター(2020年-)

画像: フロントマスクはアストンマーティン車らしく、伝統の凸型フロントグリルも踏襲。ノストリルと呼ばれるボンネットのデザインも独特。

フロントマスクはアストンマーティン車らしく、伝統の凸型フロントグリルも踏襲。ノストリルと呼ばれるボンネットのデザインも独特。

2020年のジュネーブ モーターショーには数多くのワールドプレミアが控えていたのだが、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のためショーは中止となった。アストンマーティンでは、ショーでワールドプレミアする予定だったブランニューモデル「V12スピードスター」を、ショーの開催時期に本国イギリスのゲイドンにある本社で発表した。

V12スピードスターの製作は、アストンマーティンのパーソナライゼーション サービス部門である「Q by アストンマーティン」が手がける。シャシには最新の接着アルミニウム構造を採用し、DBS スーパーレッジェーラヴァンテージの要素も流用している。サスペンション形式は、フロントがダブルウイッシュボーン、リアがマルチリンクを採用している。

独特のスタイルのボディパネルは、ほとんどがカーボンファイバー製だ。このスタイリングには、1959年にル・マン24時間を制したDB1からアストンマーティン100周年記念のCC100 スピードスター(2013年)に至る一連のモデルとの関連性を見て取ることができ、ミッドセクションにはDB3S(1953年)の趣も感じさせる。

ボディサイズなどのスペックは公開されていないが、ルーフもウインドスクリーンもなく、低く幅広いショルダー、シート後部の2つのハンプ、そしてドライバーとパッセンジャーを分離する背骨のようなパートも特徴的だ。リアエンドは低く軽快だが、フロントは大胆なグリルや独特のヘッドランプ、そして「ノストリル」と呼ばれるボンネットのデザインエレメントが見事なコントラストを描き出している。

画像: デモカーはF/A18ホーネットをインスパイアしており、インテリアはマットブラックで赤いストラップをアクセントにしている。

デモカーはF/A18ホーネットをインスパイアしており、インテリアはマットブラックで赤いストラップをアクセントにしている。

インテリアでは、構造部材として機能するサテン カーボンファイバーと伝統のハンドクラフト サドルレザー、クローム、アルミニウム、3Dプリンターで作られたラバーなどが見事な調和をみせている。

ロングノーズのフロント部に搭載されるパワーユニットは、車名のとおりV型12気筒。5.2L(DBS スーパーレッジェーラのものと同じ5204ccと思われる)のDOHCにツインターボを装着し、最高出力700hpと最大トルク753Nm(いずれも推定値)を発生するという。ミッションはZF製の8速ATを組み合わせ、リアにはLSDも組み込まれる。推定のパフォーマンスは、最高速度が300km/h、0→100km/h加速が3.5秒とされている。

アストンマーティン本社で公開されたV12スピードスターは、米国の戦闘攻撃機、F/A-18 ホーネットからインスパイアされたスカイフォールシルバーのボディカラーをまとい、要所にマットブラックが用いられている。この仕様をそのままオーダーすることも可能だ。

クルマとドライバーが一体となったオープンエア モータリングをV12ツインターボの圧倒的なパワーで味わえるアストンマーティン V12スピードスター。前述のように生産台数は世界限定88台で、イギリス本国における車両本体価格(付加価値税を含む)は、76万5000ポンド(約1億600万円)からとなっている。デリバリーは2021年の第1四半期から開始される予定だ。

画像: ボディの後半はリアスポイラーへと繋がり、リアコンビランプも内蔵されている。リアエンド下部はディフューザー形状となる。

ボディの後半はリアスポイラーへと繋がり、リアコンビランプも内蔵されている。リアエンド下部はディフューザー形状となる。

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