今から20年ほど前、新しい世紀に変わる頃。クルマに対する考え方も変わり始めていた。そんな時代のニューモデルのインプレッションを当時の写真と記事で振り返ってみよう。今回は「三菱 ランサーセディア ワゴン」だ。

三菱 ランサーセディア ワゴン(2001年)

画像: スクエアなワゴンスタイルは、ヨーロッパ車的な雰囲気も感じる。切削光輝タイプのアルミホイールはターボ専用のものだ。

スクエアなワゴンスタイルは、ヨーロッパ車的な雰囲気も感じる。切削光輝タイプのアルミホイールはターボ専用のものだ。

2000年5月にセダンが、11月にワゴンが発売されたランサーセディア(以下、セディアと略)は、RVブームも影響してか人気の中心はやはりワゴンだ。今のところ、月販3000台以上をマークしている。だが、エボリューションのようなホッテストモデルをラインアップするセダンに比べ、ワゴンはトップグレードでもパワーユニットは自然吸気1.8Lの130psと少々物足りなかった。そこで2001年5月の一部変更で、ワゴンにも待望のGDIターボエンジン搭載車がラインアップされ、若年層のユーザーも取り込もうという狙いのようだ。

パワーユニットは、パジェロ iOに搭載されて好評の1.8L 直4 DOHC(GDI)にインタークーラー付きターボを装着したもの。ただし最高出力はiOより5psアップされている(最大トルクは同じ)。駆動方式はFFのみで、ミッションはCVTではターボパワーに対応できないため、スポーツモード付き4速ATのINVECS-IIが採用されている。

赤いステッチ入りの本革ステアリング(MOMO製) & ATノブなどを備えたインパネまわりは、ランエボほどではないけれど少しスパルタンな雰囲気だ。ターボパワーの効果は絶大で、ウエット路面のゼロ発進では簡単にホイールスピンしてしまうほど。165psというスペック以上のパワー感がある。ターボは低速から利いてラグがなく、6300rpmのレッドゾーンまで素直に吹け上がってくれる。

画像: 165ps/22.4kgmというスペック以上にパワフルさを感じるターボユニット。赤いストラットバーはラリーアートエディション用パーツ。

165ps/22.4kgmというスペック以上にパワフルさを感じるターボユニット。赤いストラットバーはラリーアートエディション用パーツ。

INVECS-IIは、なかなか利口なATだ。マニュアルで操作すると、シフトアップは勝手にしないが、車速に応じてシフトダウンするのは便利だ。変速数は4段だが、フラットトルクなターボエンジンとの組み合わせなので痛痒感はない。4速100km/hのエンジン回転数は2300rpmほどで、ここからシフトダウンせずとも十分な追い越し加速は得られる。

このセディアワゴン ターボには、カタログモデルでラリーアート エディションも同時に発表された。エンジンスペックこそ同じだがフルエアロパーツやRECARO製シートを装着し、足まわりは専用チューンでボディ剛性も強化される。固められた足の割りには乗り心地は悪くないが、市街地やハイウエイユースが多いならノーマルの足でも不満はない。それでもノーマルより20万円高で、この仕様が手に入るのはかなり魅力的といえるだろう。

スクエアなスタイルゆえワゴンとしての使い勝手も高いうえに、ターボパワーによるスポーティな走りが加わった。月間販売目標台数の2500台は、難なくクリアしてしまうに違いない。

画像: 外観上はノンターボのツーリングとほとんど変わりはない。足まわりのセッティングも同じだが、市街地や高速では不満はない。

外観上はノンターボのツーリングとほとんど変わりはない。足まわりのセッティングも同じだが、市街地や高速では不満はない。

■三菱 ランサーセディア ワゴン T-ツーリング 主要諸元

●全長×全幅×全高:4425×1695×1465mm
●ホイールベース:2600mm
●車重:1280kg
●エンジン形式:直4・4バルブDOHCターボ・横置きFF
●排気量:1834cc
●最高出力:121kW(165ps)/5500rpm
●最大トルク:220Nm(22.4kgm)/3500rpm
●ミッション:4速AT(INVECS-II)
●タイヤ:195/55R15
●当時の価格:189万8000円

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