今から20年ほど前、新しい世紀に変わる頃。クルマに対する考え方も変わり始めていた。そんな時代の輸入車ニューモデルのインプレッションを当時の写真と記事で振り返ってみよう。今回は「フォード モンデオ(2代目)」だ。

フォード モンデオ(2代目:2001年)

画像: 顔つきはフォーカスに似ている。フェンダーのラインも特徴的だ。ヘッドライトは整備性を考慮して簡単に取り外しができる。

顔つきはフォーカスに似ている。フェンダーのラインも特徴的だ。ヘッドライトは整備性を考慮して簡単に取り外しができる。

1994年に初代モンデオが日本で発表されたとき、200万円を切る車両価格で話題となった。それから7年。2代目にフルモデルチェンジした新型モンデオが、早くも日本に導入された。新型もセダンとワゴン同時に発売されたので、まずは試乗してみることにした。

新型モンデオのスタイリングは、最近のユーロ フォード車に共通のニューエッジ デザインでまとめられているが、フォーカスほどトンガってはいない。それでも鋭い目つきのヘッドランプ、特徴的なフェンダーアーチやリアコンビランプなどで印象の強いエクステリアを構成している。

従来型より全長と全幅は170mm(ワゴンは135mm)と60mm拡大され、4730mm(同4805mm)と1810mmと、サイズはかなり大きくなった。モンデオはDセグメントに属するが、日本市場でこのクラスの人気を二分しているメルセデスのCクラスやBMWの3シリーズよりは、ひとまわり以上大きい。日本の街中(パーキングスペースを含む)での使い勝手を考えると、Dセグメントで1800mmを超える車幅は少し気になる。

だがその分、室内は広く快適性は向上した。特にリアシートの居住性やワゴンのカーゴスペースはクラストップレベルといえるだろう。インテリアの質感も向上している。標準車はアルミ調パネル、GHIAは木目調パネルを多用し、メーターリングやステアリングスポークなどにもアルミ調パーツを使ってドイツ的な高品位感あるインテリアとなっている。

画像: ノーマルグレードではセンターダッシュやATセレクターまわりはアルミ調(GHIAでは木目調)パネル。時計はアナログ式だ。

ノーマルグレードではセンターダッシュやATセレクターまわりはアルミ調(GHIAでは木目調)パネル。時計はアナログ式だ。

新エンジン「Duratec(デュラテック)」の採用により、走りは格段に進化した。2Lの直4 DOHCと言う基本スペックこそ従来型のZetecと同じだが、15ps/1.3kgmアップした効果は大きい。2Lでは大きくなったボディにツラいか・・・と思われたのだが、上りのワインディングでも3000rpm以上をキープして走れば元気いっぱい。市街地走行レベルではノイズ、振動ともに抑えられ、おそらく後から追加されるであろうV6の必要性を感じないほどだ。

ハンドリングも好フィールだ。ミドルクラスのセダンとしてはスポーティなハンドリングを示してくれる。コーナリングでは弱めのアンダーステアでロールも抑えられ、意外と言っては失礼だがワインディングを走るのが楽しいクルマだった。それでいながら乗り心地は硬すぎず、ファミリーユースでも問題のないレベルにある。その乗り味は、ワゴンでも変わりはなかった。

しかも車両価格は262〜300万円と、きわめてお買い得な設定がされている。日本でのライバルはVW パサートやオペル ベクトラだろうが、それらよりも安くサイズもゆとりがある。細かい部分には煮詰めの甘い点もあるが、この価格で必要十分な快適&安全装備も備わっているのだから許せてしまう。

抑えられた価格に充実した装備、性能も十分なレベルにある新型モンデオは、従来型がデビューしたときのようなインパクトを再び日本市場に与えて、注目を集めそうだ。

画像: 縦長のリアコンビランプが特徴的だが、ワゴンのリアビューは無国籍な雰囲気だ。全長はセダンより75mm長い4805mm。

縦長のリアコンビランプが特徴的だが、ワゴンのリアビューは無国籍な雰囲気だ。全長はセダンより75mm長い4805mm。

■フォード モンデオセダン 主要諸元

●全長×全幅×全高:4730×1810×1420mm
●ホイールベース:2755mm
●車両重量:1380kg
●エンジン形式:直4・DOHC・横置きFF
●排気量:1998cc
●最高出力:107kW(145ps)/6000rpm
●最大トルク:190Nm(19.4kgm)/4500rpm
●トランスミッション:電子制御4速AT
●タイヤ:205/55R16
●車両価格(当時):262万円

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