今から20年ほど前、新しい世紀に変わる頃。クルマに対する考え方も変わり始めていた。そんな時代の輸入車ニューモデルのインプレッションを当時の写真と記事で振り返ってみよう。今回は「ボルボ V40 T-4 75thアニバーサリー」だ。

ボルボ V40 T-4 75thアニバーサリー(2002年)

画像: 前後バンパー&サイドモールをボディ同色にしただけで、かなり印象は変わった。50タイヤを履いているが車高はノルディックと同じ。

前後バンパー&サイドモールをボディ同色にしただけで、かなり印象は変わった。50タイヤを履いているが車高はノルディックと同じ。

1927年4月に量産第1号車「ヤコブ」を世に送り出したボルボ。その生誕75周年を記念した特別限定車「75thアニバーサリー」が発売された。この限定車はV40とV70に設定されたが、今回はV40のインプレッションをお届けしよう。

V40の75thアニバーサリーは車名を見てもわかるように、カタログモデルにはない(過去に何回か限定車として日本でも発売されている)、ハイプレッシャーターボ搭載モデルの「T-4」がベースになっている。これはV40 ノルディックスペシャルに搭載されているロープレッシャーターボ(排気量は同じ)とは異なり、ツインスクロールのハイプレッシャーターボを搭載している。そのパワースペックは200ps/30.6kgmと、ロープレッシャー版より37ps/6.1kgmものパワーアップが達成されている。

外観も記念モデルにふさわしく、さまざまな専用&特別装備が施されている。簡単に紹介すると、ノーマルではブラックの前後バンパー&サイドモールはボディ同色にされる(ボディカラーはシルバーメタリックのみ)。205/50R16のタイヤ(試乗車はピレリP6000)にBBS製アルミホイールを履き、ヘッドランプのロービームはボルボ車初のキセノン式が採用された。

インテリアでは、本革パワーシート(ヒーター付き)、本革巻きステアリング、スポーティメーターパネル、ガラスサンルーフ、CD/MD付きオーディオ、シルバーメタルフィニッシュのパーツなどが採用されている。

画像: ツインスクロールのハイプレッシャーターボを装着した2Lの直4 DOHC。ターボが効き出してからの加速感は、かなりのもの。

ツインスクロールのハイプレッシャーターボを装着した2Lの直4 DOHC。ターボが効き出してからの加速感は、かなりのもの。

前置きが長くなったが、さっそく走り出してみよう。今回の試乗はハイウエイと市街地が中心で、ワインディングを試す機会はなかったが、ハンドリングにはもともと定評のあったV40だけに問題はないだろう。

車重1380kgのボディに200psのターボパワーだから、速さは十分以上だ。だがトルクステアは強めなので、あまりそんなことはしないだろうが、ゼロ発進からのフル加速ではステアリングをしっかり保持する必要がある。3000rpmから上の、いわゆるターボバンドにエンジン回転数をのせておけば、その端正なスタイルからは想像できない加速を見せる。

もちろんパーシャルスロットルで流しても、市街地、高速ともに走りには不満はない。ハイパワーを支える足まわりは硬めだが、スポーティモデルとしては乗り心地はそれほど不快ではない。惜しむらくは、せっかく5速ATを採用しているのに、D→4→3はロックボタンを押さないと変速できないこと。また、ポジションインジケーターも欲しいところだ。

この限定車の価格はノルディックスペシャルより50万円高の395万円。それでも、前述の装備は標準だし、何よりも200psのターボパワーは魅力的だ。そしてV40ならではの取り回しや使い勝手の良さに変わりはない。長い目で見れば、お買い得感は強くなってくるはず。限定販売台数はわずか200台だから、すぐに完売してしまうのではないだろうか。

画像: 全長は4.5mあまり、全幅も5ナンバー枠の1.7mをわずかに超えるサイズだから、都会の狭い道などでも扱いやすい。

全長は4.5mあまり、全幅も5ナンバー枠の1.7mをわずかに超えるサイズだから、都会の狭い道などでも扱いやすい。

■ボルボV40 T-4 75thアニバーサリー 主要諸元

●全長×全幅×全高:4515×1720×1460mm
●ホイールベース:2560mm
●車両重量:1380kg
●エンジン形式:直4・DOHCターボ・横置きFF
●排気量:1947cc
●最高出力:147kW(200ps)/5500rpm
●最大トルク:300Nm(30.6kgm)/2500-4000rpm
●トランスミッション:電子制御5速AT
●タイヤ:205/50R16
●車両価格(当時):395万円

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